カスハラとは、カスタマーハラスメントの略称で、顧客から従業員に対する嫌がらせ行為を指します。
近年、カスハラは増加傾向にあり、特に接客業や小売業、サービス業など顧客と直接的な接点の多い職場での被害が深刻化しています。
悪質なカスハラは違法行為に該当する可能性もあるため、適切に対処することが大事です。
この記事では、カスハラの具体的な例や、カスハラを放置したときのリスクについて、探偵目線で解説します。
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成田空港で航空会社の職員の接客態度が悪いと因縁をつけ、両手で腕をつかんだとして、千葉県警成田国際空港署は14日までに、暴行の疑いで、いずれもタイ国籍の66歳の父親と30歳の娘を逮捕した。
署は、カスタマーハラスメント(カスハラ)の可能性もあるとみて調べている。
逮捕容疑は12日午後2時45分ごろ、共謀して第1ターミナルの出発カウンター前で接客中だった女性職員(28)の腕をつかむ暴行を加えたとしている。
父親の自称検事、クライウィット・パタラポン容疑者は容疑を認め、娘の自営業、ピモンナット容疑者は「体には触っていない」と否認している。
署によると、2人は旅行で来日し、帰国の手続き中だった。
相談を受けた別の職員が被害を申告した。引用元:産経ニュース|成田空港でカスハラか、タイ国籍の父娘を逮捕 職員に接客態度が悪い因縁、暴行疑い(2025年5月14日)
カスタマーハラスメント(以下、カスハラ)とは、顧客から従業員や企業に対して、著しい迷惑行為や言動を行なうことを言います。
具体的には、以下のような例が挙げられます。
カスハラには、時間拘束型、暴言型、暴力型、脅迫型など、さまざまな種類があります。
殴る、蹴るといった暴力行為だけでなく、従業員に精神的苦痛を与えるものもカスハラの対象です。
日本では昔から「お客様は神様」という価値観が根付いており、顧客からの不当な迷惑行為を受け入れやすい傾向にあります。
特に、お客様と関わることの多い接客業では、「これくらいは仕方ない」「とりあえずこの場を丸く収めたい」と考え、カスハラを黙認してしまうケースは多いでしょう。
近年はインバウンドが増加しており、海外観光客によるカスハラ被害も増加しています。
海外観光客との間には文化の違いや言語の壁などがあり、カスハラ対応がより困難です。
カスハラを直接規制する法律はないものの、内容によっては暴行罪、傷害罪、脅迫罪、名誉棄損などの罪に問える可能性もあります。
顧客の迷惑行為に悩む場合は無理にがまんせず、厳正に対処することが大事です。
接客業やサービス業、小売業などでは、カスハラを受けていると理解しながらも、対処できないケースが珍しくありません。
しかし、カスハラを黙認するのは、従業員本人と企業の両者にとって危険です。
ここでは、カスハラを放置したときのリスクを解説します。
カスハラを容認すると、さらに要求が悪化するうえ、日常的に行なわれる可能性があります。
無理な要求を聞き入れるうちに、「もっと要求しても大丈夫だろう」とカスハラ加害者が思ってしまうためです。
最初は小さな嫌がらせだったのが徐々にエスカレートし、脅迫や暴力、従業員へのストーカー行為へと発展した事例もあります。
状況が酷くなり、従業員がうつ病やPTSDなどを引き起こす可能性も見過ごしてはいけません。
深刻化する前に、なるべく早い段階でカスハラに対処することが大事です。
カスハラが常態化した職場では、従業員の精神的負担が大きく、離職率も高くなる傾向にあります。
優秀な人材が流出することで、接客レベルが下がり、サービスの質を維持することが困難となります。
新たな人材を雇用しても定着しにくく、採用・教育に多大なコストがかかるでしょう。
なお、従業員が安心して働ける職場環境を確保するため、企業には安全配慮義務に基づきカスハラ対策を実施する義務があります。
カスハラ対応の社内マニュアルや、カスハラ対応窓口を設置するなどして、日頃から従業員をカスハラから守る体制を整えておくことが大切です。
カスハラに適切な対応をしなければ、「従業員を守らない企業」「カスハラを放置している」といった悪いイメージが定着する恐れがあります。
近年はSNSの普及により情報が拡散するスピードが速く、カスハラの現場をとらえた動画や画像がアップされれば瞬く間に広がっていくでしょう。
企業のイメージダウンは顧客離れを招き、売上にも大きな影響を与えます。
特に、飲食店やサービス業、小売業といったBtoCビジネスは、SNSでの炎上リスクが高く、顕著な顧客離れが懸念されます。
カスハラの証拠収集では、日付・場所・時間、顧客の特徴、発言内容や行動などを詳しく記録することがポイントです。
探偵であれば客観的視点で証拠収集を行えます。
また、常習的に問題を起こしている顧客の身元を確認し、どのような背景を持っているのか、調査することができます。
この情報をもとに、企業は長期的な対策を取れるでしょう。
カスハラに適切な措置を講じます。
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監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。 得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。 監修者・執筆者一覧へ
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