嫌がらせの手法の中には、まるで故意ではないかのように振る舞って偶然を装って行なわれる嫌がらせも存在します。
こうした嫌がらせ行為は、受けた本人は明確に嫌がらせ被害に遭っていると気付けるのですが、第三者から見ると偶然の産物と片付けられたり、何も被害はないかのように受け取られてしまうため、嫌がらせ被害の証明が困難になる場合がほとんどです。
また、被害の内容も身体的・精神的なものだけでなく、中には金銭的なものも含まれてます。
例えば、わざと車にぶつかって交通事故の被害に遭ったと主張する「当たり屋」という行為も、故意に行なった行為と証明できない限りは車に乗っている側が悪いとされてしまうものです。
このような被害者側しか真実を知り得ない偶然を装った嫌がらせ行為は、被害者を身体的・精神的に苦しめるだけでなく、周囲からの断絶を招きかねない悪質な行為といえます。
そのため、もし偶然を装った嫌がらせ被害に遭った場合は、嫌がらせ被害専門の探偵に調査を依頼することをおすすめします。
この記事では、偶然を装った嫌がらせ行為にどのようなものがあるかを探偵目線で解説します。
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去年10月、駒ケ根市で自転車による「当たり屋」行為をしたとして、下伊那郡喬木村に住む40歳の男が逮捕されました。男は容疑を否認しているということです。
詐欺の疑いで逮捕されたのは下伊那郡喬木村の運転手の40歳の男です。
警察の調べによりますと男は去年10月、駒ケ根市梨の木の交差点で、30代の女性が運転する乗用車が左折したところ、自転車を直進し故意に衝突させました。
その後、男は偶然の事故のように装い、女性が契約している損害保険会社に対して、対物賠償と対人賠償、合わせて33万3925円の保険金をだまし取ったとみられています。
嫌がらせ行為というものは、できる限り相手に不快感を与えることが一つの目的とされています。
そのため、明確に誰かから被害に遭ったと認識する以上に「被害に遭ったかもしれない…」といまいち確信が持てない状態が一番精神的に大きな影響を与えるのです。
そのように偶然と片付けられてしまいがちでも、明確な嫌がらせ行為の種類をお伝えします。
後ろをついて来たり、自分の動向を伺うかのような行為は「つきまとい」「ストーカー」行為に分類され、これも偶然を装って行なわれる嫌がらせ行為の一つです。
例えば後ろをついて来る行為は被害を受けた本人はその違和感に気付けるのですが、これを他人に相談しても「ただ行き先が同じ方向だっただけ」と受け取られて被害を深刻に認識してもらえないことが多いです。
また、マンションや駅など同じ場所で頻繁に同じ人と出くわすことがあった場合、これは対象となる人物の行動を監視して狙ってタイミングを合わせてきている可能性があります。
この場合も他人からすれば偶然としか認識してもらえず、被害者の中だけでどんどん不安感が大きくなってしまう悪循環に陥りやすくなります。
こうしたエスカレートした先にはストーカー殺人などの悲しい結末が待っていることもあり、つきまとい行為への対策は急速に進めるべきものです。
しかし、つきまとい・ストーカー行為については被害が出てからでないと動けない警察では対策が非常に難しく、ストーカー規制法が強化されたとしてもまだまだ対策は後手に回っているのが現状です。
自分からわざと車や自転車に当たりに行って、さも交通事故に遭って轢かれてしまったかのように被害を演出して、損害賠償金をせしめようとするのが当たり屋です。
現在の日本の法律では、対人の車両事故はほとんどの場合車両側の過失が認められる場合が多く、人を轢いてしまった運転手は損害賠償金を支払うことになってしまいます。
しかし、この法律上の習慣を逆手に取って、車や自転車に自ら当たって車両側に過失があると認めさせて賠償金を騙し取ろうとするのが当たり屋の手口です。
他にも、身体をぶつけるだけでなく身につけた貴重品などをわざと壊して損害賠償を請求するパターンも存在します。
現在では車にドライブレコーダーをつけることが習慣化され、怪しい接触をしてきた人の手口の全容を記録できるようになったため、被害は減少傾向にあると言われています。
人が密集した場所において、避けようとせずにわざと体をぶつけて体当たりしてくる被害を受けたという報告がSNS上で散見されますが、これも偶然を装った嫌がらせの一種です。
主に女性が男性から被害を受けることが多く、このような嫌がらせ行為を行なう人は通称「ぶつかりおじさん」「体当たりおじさん」と呼ばれています。
主に被害が起きる場所は満員電車になるほどに人が多く集まった駅のホームで、すれ違いざまに体をぶつけてくるものの、密集した環境のせいか被害者自身も偶然と片付けてしまうケースが多いです。
ですが場合によっては強い衝撃によってこけてしまって身体的な被害を受けたり、花束やケーキの箱など脆いもの目がけてぶつかられた場合は壊れてしまうことで物的な損害を受けることになります。
こうした体当たり行為も「たまたまぶつかってしまったのだから仕方ない」と第三者だけでなく自分自身でも考えてしまうため、なかなか被害が表面化しにくいことが問題です。
これも満員電車など密集した場所でよく起こる被害ですが、女性の胸や臀部といった性的な意味合いを持つ箇所に故意に接触する痴漢行為も偶然を装って行なわれます。
特に満員電車など不可抗力で密集状態が発生する環境だと、身体への接触も同じく不可抗力で起きてしまう可能性が非常に高く、偶然女性の胸や臀部に触れてしまうこともあるでしょう。
しかし、こうした環境を逆手に取って偶然を装って痴漢行為が行なわれるケースがとても多く、また被害者側としても明らかに痴漢行為をされているという確証が持てなければ被害を公表することができません。
他にも、ターゲットとなる女性を協力者たちで取り囲んで被害を訴えられない状況にして痴漢行為を行なう集団痴漢による被害も報告されています。
最近では痴漢冤罪によって不意に人生を狂わされる話も広まっているため、逆に被害者が声を上げにくい状況が生まれていますが、今現在でも確実に起きている嫌がらせ被害と言えます。
偶然に発生した嫌がらせが、実は集団によって仕組まれていたものであるケースも存在します。
例えば、つきまといやすれ違いざまに暴言を浴びせられるといった嫌がらせ行為を複数人から受けていた場合、複数の人が同じような行為をたまたま同時多発的に行なうとは少し考えにくい部分があります。
その裏には、組織的に計画された嫌がらせ行為の存在があると考えられるでしょう。
また、嫌がらせ被害を訴えても誰も味方になってくれなかったり、被害を「偶然」だと強く決めつけてくる場合も、もしかしたら組織的な嫌がらせによって四面楚歌にする狙いがあるかもしれません。
もし偶然かもしれない嫌がらせ被害を受けていて、周囲の誰も頼れない状況になってしまうことは加害者側からすれば好都合でしかありません。
孤独の中で被害に苦しみ続けてしまえば、だんだんと社会全体との断絶も進んでしまい、社会生活を営むことも難しくなってしまう可能性が生じてしまいます。
そうなる前に、自分の周囲とは関係のない第三者に支援を求めることが、この状況を抜け出すための大きなヒントとなります。
嫌がらせ被害の解決において最も重要なことは、一人で抱え込まずに嫌がらせ解決の専門スキルを持った人に相談することだといえるでしょう。
探偵の偶然を装った嫌がらせの調査は、状況証拠を積み重ねるものです。
調査で、本当に偶然なのか、それとも何者かの意図が込められているのかを見極めます。
嫌がらせは被害者の心身に悪影響を与えます。
一人で抱え込まず、信頼できる人に相談し、専門家の助けを求めましょう。
探偵は証拠収集や状況把握をとおして、被害者の力になることができます。
この記事で解説した嫌がらせは一例で、実際には多岐にわたります。
少しでも「おかしい」と感じたら、記録を残し、専門家への相談を検討しましょう。
監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。 得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。 監修者・執筆者一覧へ
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