川崎市で20歳女性が元交際相手に殺害された痛ましい事件。
ストーカー規制法があるにも関わらず、神奈川県警が適切に対応せず、尊い命が失われました。
[弁護士ドットコムニュース]によると、警察の通達が守られておらず、被害者保護システムが機能しなかったことが明らかになっています。
では、もし被害者が探偵事務所に相談していたら、どのような対策が可能だったのでしょうか。
この記事ではストーカー被害に苦しむ被害者に対して、探偵が実施できる調査について解説します。
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本件では、明らかなストーカー事件と考えられるにもかかわらず、警察が対応しなかったことが問題視されている。
警察庁の生活安全局長と刑事局長が出した「恋愛感情等のもつれに起因する暴力的事案への迅速かつ的確な対応の徹底について」という通達がある。
これによれば、警告等の行政措置とは別に、被害者等の安全確保を最優先するため、基本的な考え方として以下のことが記載されている。
・被害者に対する脅迫文言やストーカー行為等を捉えて速やかに検挙するなど、加害行為の防止を図ること
・被害者に対し被害届を提出するよう説得等すること
・被害者が上記説得等にもかかわらず被害届を提出しない場合でも、場合によっては加害者の逮捕等の強制捜査を積極的に検討すること
・安全な場所へ速やかに避難させること、身辺の警戒等の措置を行うことなどにより、被害者等の保護の徹底を図ること
そして、これらを受け、具体的にとるべき施策の内容が細かく説明されている。しかし、松村弁護士は、この通達が守られていない実態があると指摘する。
松村弁護士:「通達で、何をすべきかについて詳細な定めが置かれているうえ、署内で生活安全部門と刑事部門が連携することが求められています。
また、所轄署は、ストーカー被害に関する相談を受けた場合、警告を出すか否か、どのような対応をするかなどを独断で決めるはずはなく、県警本部に相談しているはずです。
にもかかわらず、川崎の事件では通達の内容が守られておらず、『何をやっているんだ』といわざるを得ません。
加えて、被害者からの通報・相談の内容について所轄署内部での連携、または所轄署と県警本部の連携が不十分である可能性も考えられます。
そもそも、警察ではいまだに『恋愛』『男女トラブル』については『どっちもどっち』との旧態依然とした偏見が根強く、『話は聞いてくれるが対応してくれない』という例も多いのです」
引用元:“川崎女性殺害”を防げなかった「ストーカー規制法」の”欠陥”とは? 警察が動かない…「警告制度」運用不全の現状を弁護士が批判(2025年06月18日)
警察が動かない状況でも、探偵事務所は調査により加害者の行動パターンを詳細に把握できます。
つきまといの頻度、時間帯、ルート、手口などを映像や写真で記録し、客観的な証拠として蓄積することで、警察への被害届提出時により説得力のある資料を提供できたでしょう。
特に本件では、加害者が被害者の自宅に押し掛けたという明確な事実があったにも関わらず警察が対応しませんでした。
探偵による24時間体制の監視記録があれば、警察も無視できない状況を作り出せた可能性があります。
探偵事務所は被害者の安全確保に向けた実践的なアドバイスを提供できます。
引っ越し先の選定、新しい生活圏での警戒すべきポイント、日常生活での注意点など、具体的で実用的な安全対策を提案し支援します。
また、被害者の行動パターンを分析し、最も危険な時間帯や場所を特定することで、効果的な回避策を講じることができたでしょう。
記事で指摘されているように、ストーカー規制法の「警告」制度は要件が不明確で、被害者にとって使いにくい制度です。
探偵事務所は弁護士と連携し、警告申請から民事訴訟まで、あらゆる法的手続きを被害者と一緒に進められます。
特に警察が消極的な態度を取る場合、探偵が収集した客観的証拠を基に弁護士が「処分の義務付けの訴え」を提起することで、法的に警察の対応を求めることも可能だったかもしれません。
探偵事務所は被害者からの緊急連絡に対し、調査員を現場に急行させ、状況確認と安全確保をすることが可能です。
必要に応じて警察への通報も代行し、被害者の負担を大幅に軽減できます。
本件では加害者が自宅に押し掛けた際、もし探偵による緊急対応システムが機能していれば、最悪の結果を回避できた可能性もあります。
探偵事務所は被害者本人だけでなく、家族や職場、友人など周囲の人々にも適切な情報提供と協力要請を行います。
ストーカー被害は被害者一人の問題ではなく、周囲の理解と協力が不可欠です。
特に家族には加害者の特徴や危険性を詳しく説明し、万が一の際の対応方法を事前にレクチャーすることで、被害の拡大を防ぐことができたでしょう。
ストーカー被害は長期化する傾向があり、加害者の行動パターンも変化します。
探偵事務所は継続的に状況を監視し、新たな脅威に対応した対策の見直しを行います。
警察の対応が期待できない状況でも、民間の専門家による継続的な支援により、被害者の安全を長期間にわたって守ることができたはずです。
ただし、探偵事務所も全てにおいて完璧ではありません。
逮捕権限がなく、加害者の排除は警察や司法機関に依存します。
また、費用面での負担も被害者にとって小さくない問題です。
川崎ストーカー事件は、警察の対応だけに頼ることの危険性を浮き彫りにしました。
ストーカー被害にあった際は、警察への相談と並行して探偵事務所などの民間専門機関への相談も検討すべきです。
法制度の不備や警察の対応不足を補完する意味でも、民間調査機関の役割は今後ますます重要になっていくでしょう。
被害者の命を守るために、あらゆる選択肢を検討し、迅速かつ適切な対応を取ることが被害者の身を安全にまもります。
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監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。 得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。 監修者・執筆者一覧へ
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