Noise case
騒音トラブルは、日常生活の中で最も多く起こる近隣トラブルです。
トラブルとなり得る騒音には、いわゆる生活音といわれる、話し声やテレビなどの音、さらに子どもが飛び跳ねる音やペットの鳴き声などの日常生活から出る音のみならず、悪意のある嫌がらせ行為などは含まれるケースがあります。
そして、悪意の有無にかかわらず、その騒音の程度によっては、頭痛や不眠症、さらにはうつ病などを発症することもあり、肉体的・精神的に悪影響を及ぼします。
ここでは、さまざまな騒音の種類や、その騒音が原因で「騒音性難聴」を発症した場合の解決法に関して解説します。
騒音性難聴とは、常に大きな音がある環境に身を置いている方が発症しやすい難聴です。
「発症しやすい環境」とは具体的に、建設現場や道路工事、激しい機械音が出ている工場、パチンコ店、ライブハウスなどで働く従業員、また演奏者やパイロットなどにも多くみられる傾向があります。
こう見ると“職業病”ともいえる騒音性難聴ですが、ヘッドホンをつけ大音量で音楽を聴く人にも発症の可能性はあります。
騒音性難聴と確定診断するにあたって難点なこととしては、本人がその大音量の環境に慣れてしまい、発症していると気づかないまま病状が慢性化、あるいは悪化してしまうことです。
日常生活の環境が騒音にさらされているとわかっているのであれば、騒音性難聴を予防することを検討するのは必須であり、自信や家族の肉体的・精神的な健康を守るためにも対策を考えておくべきです。
騒音性難聴の症状として、初期の頃では、片側でなく両方の耳に耳鳴りがします。音の聞こえ方としては、高音域である周波数4000ヘルツ領域が聞きとりにくくなる特徴があります。
また聴力の低下は時間とともに進行していきます。最初は発症している自覚がなく、日常的に支障もないのですが、次第に会話で相手の声が聴こえなくなるなど、生活する上で支障が出てきます。
聴力検査をすると、25デシベル以上が聞き取れないと軽度の難聴と診断され、40デシベル以上になると中等度となり、状況としては1メートル先から発した大声なら聞こえるレベルです。
60デシベル以上になると高度難聴と認識され、耳元で大声を張り上げなければ聞き取れないといった症状となります。
家族などの身近な方が、話しかけても反応しない様子などに接したことがきっかけに、医療機関への受診をすすめるというケースが多くみられます。
家族のみならず、勤務先の同僚や友人などコミュニケーションが取りづらくなる恐れもあり、社会生活にも悪影響を及ぼす可能性も高い病気といえます。
騒音性難聴の原因は、大音響が常にあるという環境です。耳の内耳にある蝸牛(かぎゅう)という部位に、有毛細胞(ゆうもうさいぼう)という音を感じる部分があります。
受けた音が何を意味するのか変換して、脳に伝達する役割があります。継続的に大きな音が耳に入ることで有毛細胞はダメージを受け続けます。
有毛細胞は再生できずに数を減らし、音を聞く機能が低下していきます。音が聞こえない、また、他人の話し声が理解しにくくなるという症状につながります。
騒音性難聴は進行性の難聴なので、どのような症状で違和感を感じるのかでは個人差があります。
進行した騒音性難聴については、疲労を感じた時やストレスがたまり、不眠症や精神不安定などがきっかけとなり、聞こえ方の異変に気付くタイミングとなる場合が多いです。
まず騒音の多い場所はできるだけ避けることが第一の前提です。また、どうしても騒音の中にいなければならない場合は耳栓などを使用することにより、少しでも騒音から耳を守ることも必要です。
また仕事でも、定期的に騒音の多い場所から離れ、耳を休ませる習慣をつけ、加えて、難聴の原因ともなり得るストレスや疲労を溜めない生活を心がけ、大音響に対して“慣れ”がついてしまう前に、定期的な聴力検査を受けることも発症や悪化の予防になります。
騒音性難聴は一度発症してしまうと、治療が難しい病気です。治療法としては、薬物療法が中心で、この薬物治療が有効な期間は発症から1週間以内といわれています。
処方される薬としては、ビタミン剤やステロイド剤が主な薬です。また薬物治療以外では、「高圧酸素療法」や「神経節ブロック療法」と呼ばれる治療が行われます。
どちらの治療方法も薬物治療同様に早期治療に対してのみ有効です。そして症状の悪化を抑える、または改善を促す治療法として「補聴器」があります。
しかしながら、本来人間が持っている「言葉を識別する能力」が低下する前に、装着を開始しなければ、音は聞こえてもその能力を改善することはできません。
つまり補聴器による治療を検討する場合も「言葉としての識別する能力」が低下していない段階で、装着を決断する必要があります。
そして、早期の段階で補聴器を装着することにより完治は難しくても、少しでも聞こえの改善に繋がる可能性があります。
つまり、以上に挙げたいずれの治療や予防法も開始が遅くなるにつれて、効果が得られにくくなります。
よって、少しでも「最近、聞こえづらい」「人の話が聞き取れない」と感じたら医療機関を受診し、検査を受けることが必要です。
現代社会では、騒音をめぐる近隣トラブルが殺人や傷害事件に発展するケースも珍しくない時代となっています。
このような事件に至らなくとも、近隣住民との騒音トラブルが原因で警察沙汰にまで発展するケースは少なくありません。
しかしながら、こうしたトラブルについて、警察が積極的に捜査に動くことは考えにくい現実もあります。
「騒音規制法」では工場や事業場、建設現場などから発生する騒音については規制されていますが、生活騒音を直接規制する法律がないからです。
生活騒音とは、前述した通り「人の話し声」「テレビなどの音」「子どもが飛び跳ねる音」に加え、「家電などから生じる音」「アパート・マンションなどの集合住宅での給排水音やドアの開閉音」なども含まれます。
上記の例では悪意のないまま、騒音を出しているケースがほとんどであり、集合住宅の管理会社や管理組合、あるいは警察に相談し、注意を促すことで解決に至りますが、対処に困るのが、悪意を持って、嫌がらせ目的で騒音を出しているケースです。
このような場合、管理会社や管理組合、警察の注意程度では行為をやめません。
しかしながら、当人同士で直接交渉にあたることは、要らぬ恨みを買い、トラブルを複雑にしかねないばかりか、悪化させる危険性すらはらむものです。
近くで暮らしていかなくてはならない隣近所とのトラブルは、なるべく穏便に、しかも確実に解決したいものです。
そこで、騒音が原因の近隣トラブルを解決するためには、騒音の原因追及と証拠の収集といった周到な準備は必須となります。
騒音による悪質な嫌がらせの中には、騒音の他にも、「ラップ音(ラップ現象)」と呼ばれるものもあります。
壁を叩く音や柱がきしむ音の場合もあれば、何かがはじけるような音が鳴る場合もあります。
多くは通常の生活音とは違う、不気味な鳴り方をします。建造物の経年劣化による音である場合もありますが、これを電磁波や音波の機器を使って遠くから鳴らす嫌がらせも存在します。
霊感の強い人や音に敏感な人にとっては、この嫌がらせによって、難聴を発症するよりも早く精神的苦痛により、病んでしまうこともあります。
騒音を発生させた行為が違法となるかを判断する基準に「受忍限度を超えているか」というものがあります。
これは、社会常識に照らし合わせて、我慢すべき程度を超えているかどうかという基準であり、この「受忍限度」を超えているとされた場合には、他人の人権を侵害したとして行為が違法とされることになります。
この基準は、騒音や悪臭、振動などの公害紛争でも広く採用されています。
これを「生活騒音」に当てはめると、単純な音の大きさだけではなく、発生の頻度や時間帯、継続期間、被害の実態、地域性、苦情を申し入れた後の対応などの、さまざまな事情を考慮して判断されます。
例えば、深夜に度重なる騒音を出して、近隣住民に難聴を生じさせ、苦情を申し立てられたのに何の対策も講じなかった場合は、受忍限度を超えたとみなされる可能性が高いでしょう。
この場合、適用される法律としては「軽犯罪法」や「迷惑防止条例」、悪質な場合は「傷害罪」や「暴行罪」に問われる可能性もあります。
受忍限度については、自治体によって条例で規制が設けられており、おおよそ、日中(午前6時~午後10時)は50~55デシベル、夜間(午後10時~午前6時)は40~45デシベル程度とされています。
一般的には、騒音によるトラブルが法廷で争われる場合は、よほど悪質ではない限り、刑事ではなく民事として扱われます。
そのために必要なことが、騒音の原因(犯人)の特定と、その証拠の収集です。騒音トラブルは「感覚公害」とも呼ばれ、社会的にも認知されにくく、他人にその苦しみを共有してもらうことも難しい事象です。
しかしながら、そこを突いて嫌がらせ行為をしてくるのが、加害者の目的でもあります。
当事務所では、ご依頼者(被害者)に寄り添い、原因追及や証拠収集はもちろん、裁判に訴える場合は、弁護士の紹介や裁判資料となる調査報告書の作成、加えて、二次被害の防止に至るまで、平穏な生活を取り戻すまでサポートいたします。
訴訟問題に発展しそうなほどの騒音トラブルに巻き込まれたときは、ストーカー・嫌がらせ対策専門窓口にご相談下さい。
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