
待ち伏せやつきまといなどのストーカー行為、ネット上での誹謗中傷、足跡を残さないような自宅周辺へのいたずらなど、巧妙化・陰湿化した嫌がらせ行為が増えています。
嫌がらせは迷惑行為で終わることもあれば、内容や状況次第で刑法・条例に触れる犯罪として扱われることもあります。
警察庁が発表している犯罪情勢では、令和6年度の刑法犯認知件数は737,679 件と3年連続で前年を上回っています。
身近に発生している嫌がらせ被害も、犯罪行為とみなされる可能性もあります。
ポイントは、行為の悪質性(脅し・侵入・破壊など)に加え、繰り返しの有無、被害の具体性、証拠の有無です。
本記事では、嫌がらせが犯罪になる境界線、該当しやすい罪名、やってはいけない対応策などを解説します。
参考:警察庁|令和6年の犯罪情勢 (令和7年2月)
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「嫌がらせ=必ず犯罪」ではありません。
逆に、本人は軽い気持ちでも、条件がそろうと犯罪として扱われやすくなります。
判断の軸は次の4点です。
それぞれくわしく解説していきます。
嫌がらせは、同種の行為が繰り返されるほど事件性が高いと見られます。
たとえば無言電話、付きまとい、SNSでの粘着、ポストへの投函、監視のような行為は、単発よりも「反復性がある」ことが重要な要素になります。
警察や第三者に説明するときも、「いつから・どの頻度で・何回起きたか」が示せると、対応してもらいやすくなります。
嫌がらせ行為が故意なのか、過失なのかという観点で評価は変わります。
単なる不注意ではなく、「相手を困らせたい」「不安に陥れたい」「復讐したい」といった明確な加害意図(悪意)があると、より悪質であると判断されやすいです。
犯罪として扱われるには、被害が具体的であるほど有利です。
具体的な例は以下の通りになります。
「不快」「気持ち悪い」だけでも深刻ですが、第三者に伝える際は、生活への影響や損害、医療受診の有無など、客観的に判断できる要素が重要になります。
刑事罰を与えるためには、当然ながら「誰がやったか」を特定する必要があります。
匿名掲示板やSNSでの投稿、犯人がわからないつきまといなどは、まず特定作業が必要になります。

嫌がらせの内容によって、適用される法律は異なります。
本章では、嫌がらせに該当しやすい犯罪・法律について解説していきます。
(※実際の適用は地域条例・態様・証拠等で変動します)
特定の相手に対し、恋愛感情やそれが満たされなかったことへの怨恨により、つきまといや待ち伏せを行うとストーカー規制法に抵触します。
また、敷地内に無断で入った場合は、住居侵入罪となります。
無言電話や連続電話、しつこいメッセージ送信は、各都道府県の迷惑防止条例の対象になりやすい典型例です。
また、相手の業務を妨害する目的で大量の連絡を入れる、虚偽内容で混乱させる場合は、偽計業務妨害等に抵触する可能性があります。
ネット・SNS・掲示板、あるいは周囲への言いふらしで、社会的評価を下げる投稿や発言があれば、名誉毀損や侮辱が検討されます。
また、虚偽の噂で取引先や職場での信用を落とすような行為は、内容次第で信用毀損に当たり得ます。
ポイントは「事実の摘示があるか」「公然性があるか」「社会的評価が下がる内容か」などです。
本人や親族の生命・身体・自由・財産に危害を加えることを告げる行為は脅迫罪です。
さらに、脅して何かを無理やりやらせた場合は、強要罪となります。
以下の行為は、器物損壊罪に該当し得ます。
壊すだけでなく、汚して価値を下げる行為も対象になり得る点が重要です。
敷地内への無断侵入、ベランダに入る、玄関前で長時間うろつくなどは、住居侵入に問われます。
また、他人の郵便物・封書を勝手に開けたり持ち去ったりすれば、信書開封等に抵触する可能性があります。
深夜の騒音、ドアを強く叩く、クラクション、嫌がらせの貼り紙などは、地域によって迷惑防止条例や軽犯罪法が絡むことがあります。
これらの被害は「程度」と「継続性」がポイントで、被害記録や測定(時間帯・頻度・動画等)が重要になります。
職場へ虚偽のクレームを入れる、取引先に嘘を吹き込む、SNSで炎上させて業務を止めるなどは、手段によって偽計業務妨害や威力業務妨害に問われます。
会社側のログ(電話記録、クレーム内容、対応履歴)が証拠になりやすい分野です。
盗撮やのぞき、つきまといながら撮影する行為は、各都道府県の条例や関連法令に触れる可能性があります。
撮影データの有無だけでなく、「どこで・どんな方法で・どんな意図で」が争点になりやすいため、現場状況の記録が重要です。

犯罪に該当しそうでも、立件しにくいことがあります。
立件しにくい嫌がらせの典型例を知っておくと、次に何をすべきか判断しやすくなります。
嫌がらせが単発で終わっている、記録がない、被害が「なんとなく怖い」程度で客観化が難しい場合、警察としては動きづらくなります。
この場合は、まず時系列の記録と、可能な範囲での証拠化が嫌がらせ被害解決の第一歩です。
店舗や業者への苦情、業務上の指摘、消費者としての意見表明などは、それ自体が直ちに犯罪とは判断されません。
サービスに対する不満など、正当な理由がある場合は「表現の自由」や「権利の行使」として扱われ、嫌がらせと認定されないことがあります。
ただし、内容が虚偽だったり、執拗に繰り返して業務を止めたり、脅しを伴ったりしていると、別の問題(業務妨害・脅迫等)に発展することがあります。
匿名投稿や非通知電話は、特定に時間がかかるため初動が遅れやすい類型です。
SNSの匿名投稿などは、発信者情報開示請求などの手続きが必要になり、警察がすぐに動くことが難しくなります。
だからこそ、投稿URL・アカウント情報・日時、着信履歴、プロバイダ関連のログにつながる資料など、消えない形で残すことが重要です。

被害が大きいほど「やり返したい」と感じますが、対策を誤ると、あなた側が不利になったり、加害者側になることがあります。
相手の実名・住所・勤務先をSNSに晒す、誹謗中傷で反撃する、脅し文句を返す行為は、名誉毀損・侮辱・脅迫などで逆に責任を問われるリスクがあります。
注意喚起のつもりでも、表現や拡散範囲によっては危険です。
録音・録画それ自体が直ちに違法とは限りませんが、ネット公開は別問題です。
相手の音声や顔、私生活情報の投稿は、プライバシー侵害やトラブル拡大につながります。
証拠は「公開する」のではなく、警察・弁護士など提出先に見せるのが基本です。
相手宅へ押しかける、尾行する、張り込むなどは、衝突や誤解を招きやすく、身の危険もあります。
安全確保の観点からも、第三者(警察、弁護士、探偵等)を挟む方が現実的です。

「通報するほどでは……」と迷う方も多いですが、危険な兆候がある場合は早めの相談が重要です。
本章では、警察に相談すべき基準について解説します。
次のような状況は緊急性が高く、110番が適切です。
可能なら安全な場所へ移動し、位置情報・相手の特徴・車両ナンバー等を伝えます。
緊急ではないものの、被害が続いている・恐怖を感じている場合は、警察相談専用電話の#9110が窓口になります。
「何罪になるか分からない」「証拠がこれで足りるか知りたい」「被害届の出し方を知りたい」といった相談に向いています。
相談をスムーズにするため、次をまとめておくと効果的です。

警察に相談しても、すぐに解決しない場合があります。
本章では、嫌がらせで警察が動けない3つの理由を解説します。
警察が動くには「何が起きたか」という相手による加害を裏付ける材料が必要です。
証拠が乏しいと、具体的な対応を進められません。
まずは被害の記録を整え、可能なら追加の証拠(ログや目撃者など)を確保します。
民事不介入とは、お金の貸し借りやいさかい、離婚トラブルなど、個人間の争い(民事)に警察は介入できないという原則です。
民事上の争いとみなされた場合は、警察の介入範囲外となる可能性が高いでしょう。
不快ではあっても、法律上の要件に当てはまらない、もしくは危険性が低いと判断されると、事件として扱いにくいことがあります。
ただし、エスカレートすれば事件性が高まるケースもあるため、軽視せず記録と相談を継続することが重要です。

嫌がらせは「言った・言わない」になりやすく、証拠の差が結果を分けます。
無理のない範囲で、次項を意識してください。
それぞれくわしく解説していきます。
被害を受けたら、できるだけ早く時系列で記録を残しましょう。
取るべき記録は以下の通りです。
被害状況の記録を続けることで、「反復性」「悪質性」「被害の具体性」を示しやすくなります。
SNSやメッセージによる嫌がらせは消されることがあります。
スクリーンショットは以下の点に気を付けて、記録に残します。
自分以外の目撃者の証言や、管理会社に提出した苦情の控えなども有力な証拠となります。
「誰が・いつ・何を確認したか」ということを記録として残しておくのがコツです。
嫌がらせによってけがをした、不眠・動悸・適応障害など心身に影響が出てしまった、という場合は受診を検討します。
診断書や通院記録は、被害の深刻さを客観視するための材料になります。
無理を続けるより、早めに心身をケアしつつ記録を残す方が、法的にも有利です。

警察が動くには証拠が必要でも、被害者自身が証拠を集めるのは危険が付きまとううえに、限界が存在します。
そこで、証拠収集を探偵に依頼するメリットや、有効な場面について解説していきます。
被害者が直接的に対応をしてしまうと、相手を刺激し、嫌がらせ行為がエスカレートすることがあります。
嫌がらせをしてくる相手は非常に過敏になっている可能性が高いため、やみくもに証拠を取ろうとするのは得策とは言えません。
しかし探偵であれば、対象者に気づかれにくい形で、張り込み・尾行・聞き込みを行い、嫌がらせ被害の実態を明らかにすることができます。
探偵に依頼することで、嫌がらせの二次被害の防止につながります。
探偵事務所は、裁判や警察への提出を前提とした、法的に有効な報告書を作成します。
被害に遭った日時・場所・加害者の様子など、時系列で第三者にもわかりやすくまとめることが可能です。
そのため、被害届の相談、弁護士への依頼、交渉・訴訟などに進む際、証拠材料として有用でしょう。
警察は事件性が低いと判断される段階では動きづらいことがあります。
一方で探偵は、刑事事件か民事案件かが確定していない段階でも、「まず事実関係を明らかにする」目的で調査が可能です。
加害者不明・証拠不足の段階にあっても、調査に乗り出すことができます。

本章では、嫌がらせにまつわるご質問にお答えします。
慰謝料は主に民事での請求になります。
刑事(犯罪)として処罰されることと、慰謝料が認められることは別枠です。
ただし、刑事事件としての証拠や捜査資料が、民事での立証に役立つことはあります。
慰謝料を請求したい場合まずは証拠を整え、弁護士に確認するのが確実です。
可能です。
嫌がらせの実行犯を特定するために、張り込みや尾行、聞き込みなどを行います。
被害者の安全確保を最優先にし、学校・職場・自治体など関係機関と連携します。
未成年が関わる事案は、嫌がらせのエスカレート防止が重要です。
具体的には以下のような対応が必要になります。
状況により、弁護士・探偵など第三者を入れて証拠化と対応方針を固めるのが有効です。

嫌がらせは放置するとエスカレートする恐れがあります。
一人で悩み、泣き寝入りする必要はありません。
「警察に相談したけれど断られた」「証拠がなくて困っている」という方は、当探偵事務所の無料相談をご利用ください。
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専門の相談員が、あなたの状況に合わせた解決策をご提案しますので、ご安心ください。
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監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。 得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。 監修者・執筆者一覧へ
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