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公開日: 2024/12/03 最終更新日: 2024/12/04
探偵コラム
 公開日: 2024/12/03 最終更新日: 2024/12/04

「罰として軽すぎる」横浜の18歳女性ストーカー殺人事件を探偵視点から解説

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2023年6月29日、当時18歳だった女性の自宅に元交際相手の22歳の男性が忍び込み、女性が殺害される痛ましい事件が起きました。

この事件の背景には、元交際相手の男性が事件の2年前ごろからストーカー化し、女性と度々トラブルになっていた経緯があります。

警察も女性から過去4度通報を受け、実際に対応を行なったものの、それでも事前を未然に防ぐことはできませんでした。

この悲劇を起こさないようにする方法はあったのでしょうか。

ストーカー・嫌がらせ専門の探偵目線から、この事件を防ぐための方法を解説していきます。

この記事のみどころ!
【横浜・18歳女子大生殺人】「オマエ、俺と別れたら知らねえからな」子役女優としても活躍した被害女性は警察に4度相談。SNSのアカウントを何度変えてもつきまとわれ…容疑者のニート男はヒモ状態だった…
横浜のストーカー事件の被害者・加害者の写真

引用:朝日新聞

当該ニュースの概要

横浜市鶴見区のマンションで住人の大学1年冨永紗菜さん(当時18)が刺殺された事件で、殺人や住居侵入などの罪に問われた元交際相手の配送業伊藤龍稀(はるき)被告(23)の裁判員裁判の判決が21日、横浜地裁であった。西野吾一裁判長は「自分の気持ちばかりを優先させた短絡的な犯行」と述べ、懲役18年(求刑懲役20年)を言い渡した。
弁護側は、突発的な犯行で、動機には理解できる点があるとし、懲役15年が妥当だと訴えていた。

引用:遺族「罰として軽すぎる」 女子大学生殺害で元交際相手に懲役18年

警察に完璧なストーカー対策はできない

ストーカー被害に関する相談は、警察にも多数寄せられています。

警視庁によると、令和3年のストーカー相談件数は19,728件でした。

警視庁のストーカー相談件数の表

引用:警視庁

しかし、これだけ多数の相談が寄せられているにもかかわらず、なぜ今回のような痛ましい事件が起きてしまうのでしょうか。

警察の人的リソース不足

警察が動けない要因としては、警察にストーカー対策に割ける人員が足りていないということでしょう。

警察は街の治安を守るため、パトロールや警備に多くの人員を割いています。

時には緊急性の高い重大事件も起こる可能性があるため、待機人員も用意しておく必要もあるでしょう。

しかし、ストーカーの被害を未然に防ぐとなると、容疑者の動向も逐一追い続けないといけません。

そこまで時間を使える警察官はいないため、どうしても対処が後手に回らざるを得ないのが現状です。

強制力のない措置

少ないリソースの中でも、警察はストーカー被害への対処を行ないます。

そしてストーカーの容疑者を把握できたら厳重注意を出したり、深刻な場合は接近禁止命令を出して被害者に近付かないように指示を出します。

常識のある人であれば、警察からの注意で行動を改めるでしょう。

しかし、犯罪行為を行なう人はある種正常な判断能力を失っている部分があるため、警察の静止も通用しません

接近禁止命令も破って再び被害者に接近しますし、厳重注意を受けることで更にストーカー行為をエスカレートさせるケースも。

被害者が何も危害を受けていない段階で、警察にできる対処はこれが限界でしょう。

「証拠」がなければ警察は捜査・対処できない

手を後ろで組む二人の警察官

一番大きな要因としては、警察が動けるだけの「証拠」がないため、被害の実態を何も掴めずに手をこまねくパターンです。

「ストーカーされていて、怪しい人が近くにいる」という通報をしていた場合、警察も駆けつけて容疑者が誰なのか確認することはできます。

ですが、それだけで警察はストーカー犯を逮捕できません。

犯行を証明する決定的な証拠がない限り、警察は逮捕状を請求しないでしょう。

また、犯行の証拠というものは犯行を実行しない限り生まれないため、どうしても後手に回らざるを得ないジレンマも。

つきまとい行為をしている事実だけで、その後に凶悪犯罪を行おうとする意図があるか見抜くのは無理です。

逆に言えば、凶悪犯罪を意図していることを証明できる証拠があれば、警察は対処できます。

つまり、警察を動かすためには何よりも「証拠」が重要となります。

ストーカー規制法の接近禁止命令は効果があるのか?

ストーカー規制法に基づく接近禁止命令は、一定の効果を持つものの、加害者が殺意を抱いている場合には、その効果が限定的であると指摘されています。

接近禁止命令の目的と効果

接近禁止命令は、ストーカー被害者を守るために加害者の行動を制限する法律上の措置です。

具体的には、以下の行為を禁止します。

  • 被害者への接触(電話、メール、直接会うなど)
  • 自宅や職場への訪問
  • 被害者の近隣や家族への接触

これに違反すると刑事罰が科される可能性があり、抑止力として機能するケースもあります。

殺意を抱く加害者には効果が薄い理由

一方で、加害者が強い殺意を抱いている場合、接近禁止命令だけでは行動を完全に抑制することは難しいとされています。

その理由は以下の通りです。

  • 感情の制御が困難:殺意を抱いている加害者は、理性的な判断よりも感情に支配されることが多く、法律の存在を無視する傾向があります。
  • 実行力の不足:命令に違反して接近した場合でも、警察がすぐに介入できるとは限らず、実際の行動を抑制するにはタイムラグが生じる可能性があります。
  • 犯行の計画性:殺意を抱く加害者は、法律を迂回するような計画を立てる場合があり、接近禁止命令だけでは予防効果が及ばない場合があります。

追加の安全対策が必要

接近禁止命令を補完するため、以下のような追加対策が推奨されます。

  • 身辺警護の依頼:探偵や警備会社に依頼し、被害者の周囲を監視してもらい安全を確保する。
  • 緊急時の対応策の準備:警察への通報手段や安全な避難先を確保し、万が一に備える。
  • 証拠の収集:ストーカー行為の詳細な記録や証拠を蓄積し、さらなる法的措置を講じる基盤を作る。

事件を未然に防ぐことはできなかったのか

夜道で後ろを振り向く女性

探偵は、証拠の収集や情報の分析などを通じて被害を防ぐために努力しますが、完全な予防は困難です。

しかし、今回の事件のような「非常階段に身をひそめるストーカー」であれば、外出時に連絡を頂き現場周辺を確認し、「警察に通報」することは難しくありません。

このような事件を未然に防ぐためには、「自己防衛意識」を持ち、環境や状況に応じた適切な行動を取るために相談することが必要です。

警察の対応に不安を感じたら、「別の地域の警察署に相談」「探偵のストーカー対策無料相談」「法的なアドバイスを得るため弁護士相談」を活用することも考慮してください。

自分の身は自分で守るための、「情報収集」は無料でできますので、自身の安全対策に活かしましょう。

監修者・執筆者 / 山内

1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。監修者・執筆者一覧へ

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