Current-State case
「嫌がらせされた」「悪口を言われている」「ストーカーされている」などと妄想なのか現実なのかわからず、混乱してしまうことがあります。
妄想、あるいは幻聴は、本人の脳自体の過剰反応によって引き起こされ、また、そのことを自分の思いや感情だとは認識できないところが統合失調症患者の特徴であり、辛さでもあります。
加えて、現実が本人にとって不本意なものであるほど、幻聴や妄想が膨らむ傾向にあります。そういった妄想や幻聴への対応は、周囲の人も「本人の思いを受け止める」「話をよく聞き共感する」ことが重要なのです。
また、妄想や幻聴について、客観的に調査し、それが“被害妄想”であるのか、本当に嫌がらせ行為が行われているのかを明らかにし、トラブルを未然に防ぐことも重要となります。
「統合失調症」は、以前は「精神分裂病」と呼ばれていました。人格自体がバラバラに分裂するといった印象を与えてしまうため、名称が変更になりました。
症状としては、幻覚、妄想が挙げられます。幻覚には、実際には聞こえていないはずの自分の悪口や批判、命令などが聞こえてくる幻聴、実際にはいない人や動物が見えたりする幻視、電波が飛んでくるなどの体感幻覚などがあります。
妄想とは、事実とは違う内容であっても、本人にとっては確信に近い思考のことで、“すれ違った人がせきをしたのは自分への嫌がらせ”といった関係妄想、“食べ物や薬に毒が入っている”などの被害妄想、“周囲の人が自分を見ている”という注察妄想などがあります。
このような症状から頭が混乱してしまい、不安になって落ち着かず、不眠となったり、幻聴や妄想にとらわれた行動をとってしまうことがあります。
統合失調症の症状が進行すると、陽性症状である幻覚、妄想、思考障害、自我障害、緊張症状、異常行動のみならず、陰性症状である精神機能の欠如である感情鈍麻、感情の平板化、意欲・自発性の欠如、動きの緩慢、ひきこもりなどを引き起こすこともあります。
統合失調症は約100人に1人がかかるといわれており、決して特殊な病気ではありません。その原因は脳の機能にあると考えられています。
統合失調症の原因は未だに解明されてはいませんが、脳内で情報を伝える神経伝達物質のバランスが崩れることが関係しているのではないかといわれています。
また、大きなストレスがかかることなども関係あるようです。遺伝子も関与しているといわれていますが、単純に遺伝子だけの問題ではなく、さまざまな要因が関与していると考えられています。
統合失調症の治療法としては、対症療法に限られていますが、早めに治療を開始したほうが病気の回復が早く、症状も軽くて済むともいわれています。
ドーパミンという脳内の神経伝達物質の働きがうまくいかないために、発症することが分かっていますので、ドーパミンを調節する薬物で治療を行います。
また、薬物治療と併せて、休養も大切です。回復を急ぐあまり、かえって悪い状況になることがあります。周囲の人たちが協力して治療に専念できる環境を整えることが重要となります。
治療よりも大切なことは、周囲が統合失調症に対する偏見を乗り越えることです。統合失調症を恥ずかしいと思ったり、隠そうとすることは、本人への大きなプレッシャーを与えることになります。
例え、身近な人が「嫌がらせされている」「監視されている」などといった被害を訴えたら、統合失調症をはじめとする精神疾患と決めつけることは避けましょう。
そのような行動によって、本人は誰も信用できなくなり、それまで以上に心を閉ざす結果になります。
まずは、妄想や幻聴による行動や言動を否定せずに、本人の困っていることを確認することが、第一歩となります。
妄想や幻聴に悩まされている人は、強い不安を感じているので、周囲の人はまずその患者さんの気持ちを理解し寄り添うように心掛け、その上で、その被害の実態を調査する必要があります。
なぜなら、被害の実態や証拠がない限り、警察に訴えたとしても“妄言”として片づけられ、捜査してくれることは、とても期待できないからです。
統合失調症をはじめとする精神疾患の人のほとんどは、「誰にも相談できない」「相談できる友達がいない」のも現実です。悩みやストレスを独りで抱えるしかなく、やがてはメンタルをむしばんでいきます。
悩みを人に話すだけで、心は癒やされることにつながります。友達や家族がいない「孤独な状態」のリスクは「タバコを1日15本吸う」「肥満者の死亡率の2倍」に匹敵するともいわれています。
しかしながら、友達が多い状態がいいのかといえば、そうとも言い切れません。自分が仲良くしたい人とだけ仲良くすれば十分であり、仲良くしたくない人と仲良くなろうとすれば、かえってストレスになることもあります。
心から信頼できる人であれば、友達は1人いれば十分です。もちろん「自分は友達がたくさんいないからダメな人間」と感じる必要などはないのです。
加えて、ストレスの原因となり得るような“毒友”などは、精神的にマイナスの影響を及ぼし、百害あって一利なしです。困った時に助けてくれる存在にはなり得ません。
嫌がらせ被害を周囲に相談しても、統合失調症などの精神疾患を疑われることが後を絶ちません。実際に、精神科で統合失調症と診断され、嫌がらせ行為が見逃されてしまう事例も存在します。
一方で、探偵・調査会社に調査を依頼したことで、実際に嫌がらせ行為の実態を明らかとなるケースも多くあります。実態を調査せずに、統合失調症と判断されたら、被害を受けた本人は人間不信に陥るでしょう。
仮に、探偵・調査会社による調査の結果、嫌がらせ行為が認められなかった場合、初めて精神疾患の可能性を疑いましょう。精神科以外にも、以下のような相談先があります。
厚生労働省HP:保健所管轄区域案内
精神保健福祉センターHP:全国精神保健福祉センター一覧
公益社団法人全国精神保健福祉会連合会HP:みんなねっと
東京都福祉保健局HP:いのちの電話
それでも解決が難しく、近隣トラブルや家族・友人問題に発展しそうな場合は、嫌がらせ証拠収集の専門家であるファミリー調査事務所にご相談下さい。
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