
学校に任せるだけで本当に大丈夫ですか?
小学校・中学校・高校では、毎年多くのいじめが認知されています。
しかし、表面化して学校が把握している事案だけでなく、周囲に知られないまま苦しんでいる子どもがいる可能性も考えなければなりません。
また、いじめの中には、学校内の指導だけでは対応しきれず、警察への相談や被害届の提出を検討すべきケースもあります。
実際に、暴行、脅し、恐喝、持ち物の破損、SNS上での悪質な誹謗中傷など、行為の内容によっては犯罪にあたる可能性がある事案も存在します。
いじめは、子どもの学校生活だけでなく、その後の心身や人間関係にも大きな影響を及ぼす深刻な問題です。
本記事では、子どものいじめ被害が犯罪にあたる場合の考え方、警察相談や刑事告訴を検討する場面、証拠整理の進め方についてわかりやすく解説します。
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子どもが自ら「いじめられている」と打ち明けるとは限りません。
親がいじめの可能性に気づいたときには、すでに長いあいだ子どもが一人で苦しんでいたというケースもあります。
登校を嫌がる、体調不良を訴える、表情が乏しくなるなどの変化から、ようやく異変に気づくこともあります。
いじめを知った親は動揺しやすいものですが、焦って行動すると、かえって子どもの負担を大きくしてしまうこともあるため、まずは落ち着いて状況を整理することが大切です。
最優先すべきなのは、子どもが安心して過ごせる環境を確保することです。
心身の両面で「ここなら安心できる」と感じられる居場所をつくり、「あなたは悪くない」と落ち着いて伝えることが重要です。
感情的に問い詰めたり、無理に登校を促したりすると、子どもがさらに心を閉ざしてしまうことがあります。

子どもの中には、いじめの事実を親に知られたくないと感じる子もいます。
そのため、まずは子どもの気持ちに寄り添い、安心して話せる状態をつくることが大切です。
いじめの有無を確認するだけでなく、どのような変化が起きているのか、どこでつらさが強くなっているのかを落ち着いて見ていくことが初動対応として重要になります。
また、後から学校や相談先に説明しやすくするために、証拠や記録を残しておくことも欠かせません。
たとえば、子どもの話した内容、壊された持ち物、ケガや衣服の破損、メッセージ履歴、SNSの投稿画面など、残せるものは保存しておきましょう。
ネット上のいじめについては、スクリーンショットや印刷などで記録を残しておくことが、その後の相談に役立ちます。
子どもがいじめられていると知ったとき、親として強い感情を抱くのは当然ですが、こうした場面こそ冷静な対応が求められます。
学校へ相談する際は、感情だけで訴えるよりも、起きた出来事を整理し、記録や資料をそろえて伝えることが重要です。
いじめの内容、時期、頻度、被害の影響などを文書としてまとめておくと、後から認識のずれが生じにくくなります。
また、学校側に対しては、事実確認、加害側への対応、再発防止の検討などを求めていくことが大切です。
ただし、学校外での接触、ネット上での誹謗中傷、登下校中の被害など、学校だけでは状況把握が難しいケースもあります。
そのような場合は、必要に応じて第三者や専門家に相談し、事実関係や証拠の整理を進めることが、その後の対応につながります。
いじめの中には、学校内の指導や話し合いだけでは対応しきれず、警察への相談を考えるべきケースもあります。
文部科学省も、犯罪行為として取り扱われるべきいじめで、学校だけでは対応しきれない場合には、警察に相談・通報して対応することが必要としています。
たとえば、暴行、脅し、金品の強奪、万引きの強要、持ち物の破損、悪質なネット投稿など、行為の内容によっては法的な問題を含む場合があります。
警察相談や刑事告訴を考えることは、感情的な対抗ではなく、被害を整理し、今後の安全確保と対応を進めるための選択肢の一つとして位置づけることが大切です。
いじめの内容によっては、次のような行為が法的な問題として検討されることがあります。
・暴行や傷害にあたり得る行為
・脅迫や恐喝にあたり得る行為
・万引きや危険行為の強要にあたり得る行為
・悪質な侮辱、名誉毀損、ネット上の誹謗中傷
・持ち物を壊す、落書きをするなどの器物損壊
実際にどのような評価になるかは、行為の内容、証拠、被害の程度などによって異なります。
何が起きていたのかを具体的に整理することが重要です。
いじめを警察に伝える方法としては、被害届、告訴、告発という考え方があります。
被害届は、被害の発生を届け出るものです。
告訴は、被害を申告したうえで、処罰を求める意思を示すものです。
告発は、被害者以外の第三者が犯罪事実を申告する場合に使われます。
どの方法を考える場合でも、起きた出来事を説明できる記録や証拠を整理しておくことが大切です。
いじめ被害では、刑事の問題だけでなく、内容によっては損害賠償など民事上の責任が問題になることもあります。
加害者本人だけでなく、ケースによっては保護者や学校側の対応が論点になることもありますが、判断は個別事情によって異なります。
そのため、すぐに結論を急ぐのではなく、まず事実関係と証拠を整理したうえで相談先を検討することが大切です。

いじめ防止対策推進法では、学校がいじめを認知した際に、事実確認や組織的対応を進めることが求められています。
重大な事案や、犯罪行為として扱われるべきケースでは、学校のみでは対応しきれない場合に警察との連携も必要とされています。
・学校がいじめを認知したら、組織的に事実確認を進める
・被害児童生徒や保護者の思いを踏まえて対応する
・重大な事案や犯罪性のあるケースでは警察との連携を検討する
ただし、現実には学校側の把握が十分でないまま問題が長引くケースや、対応が不十分だったと指摘されるケースもあります。
文科省通知でも、法律に基づいた対応が徹底されず重大な結果を招いた事案があったことが示されています。
いじめは、教室内だけでなく、登下校中、部活動、放課後、SNSやメッセージアプリなど、学校の外や見えにくい場面で起こることもあります。
そのため、学校に相談することは重要ですが、学校側が把握していない情報がある可能性も考えながら、保護者側でも状況を整理しておくことが大切です。
学校へ相談する前後を問わず、いつ、どこで、誰から、どのような行為があったのかを時系列で整理しておくことが重要です。
子どもの話した内容、欠席や体調不良の変化、壊れた持ち物、SNSのやり取り、学校との連絡履歴などを残しておくことで、後から状況を説明しやすくなります。
学校対応を待つだけでなく、保護者側でも事実関係を整理しておくことが、その後の相談や対応を進めるうえで役立ちます。
子どものいじめ被害に気づくと、親としてすぐにでも動きたくなるものです。
しかし、強い怒りや不安のまま行動すると、かえって事実関係が整理しにくくなったり、子どもの負担が大きくなったりすることがあります。
避けたい行動を知っておくことも、冷静な対応を進めるうえで大切です。
「何があったのか全部話して」「どうして言わなかったの」と強く問い詰めると、子どもがさらに心を閉ざしてしまうことがあります。
まずは安心できる環境を優先し、話せる範囲を少しずつ聞いていく姿勢が大切です。
学校や加害側に対して強い言葉で抗議したくなることもありますが、記録や証拠が整理できていない段階で感情的に動くと、話がこじれることがあります。
まずは事実関係を整理し、何が起きていたのかを説明できる状態にしておくことが重要です。
怒りや不安から、SNSに書いたり、関係者以外に広く話したりすると、別のトラブルに発展する可能性があります。
状況が不明確な段階では、公開の場で広げるよりも、相談先を絞って記録を共有するほうが安全です。
早く元に戻したい気持ちから、無理に登校を促したり、相手との話し合いを急いだりすると、子どもの不安や恐怖が強まることがあります。
最優先は子どもの安全と安心であることを忘れず、段階を踏んで対応を進めることが大切です。
子どものいじめ被害について学校や警察に相談する場合、気持ちのつらさだけでなく、何が起きていたのかを整理して伝えることが重要です。
そのためには、証拠や記録を残しておくことが大きな意味を持ちます。
証拠は、加害側を責めるためだけでなく、学校、警察、相談窓口、専門家に状況を正確に伝えるための材料にもなります。
いじめは、第三者から見えにくい場所や形で行われることが少なくありません。
そのため、口頭だけで説明すると「本当にあったのか」「どの程度なのか」が伝わりにくくなることがあります。
日時、場所、行為の内容、被害の影響を示す記録があることで、相談先に状況を理解してもらいやすくなります。
いじめ被害では、さまざまなものが証拠や参考資料になります。
・子どもの話した内容を記録したメモ
・壊された持ち物や破れた衣服の写真
・あざや傷などの写真、通院記録
・LINEやSNS、メッセージアプリのスクリーンショット
・学校とのやり取りや連絡帳、メールの記録
・登下校や放課後の行動に関する記録
どれか一つで十分とは限りませんが、残せるものを少しずつ整理していくことが大切です。
記録は、単に集めるだけでなく、いつ何が起きたのかが分かるように整理しておくと役立ちます。
たとえば、発生日ごとに並べる、画像やスクリーンショットに日付をつける、学校への相談日や返答内容をメモに残すなど、時系列でまとめておくと後から説明しやすくなります。
「いつ、どこで、誰から、何をされたか」を見える形にしておくことが、その後の対応を進める土台になります。

子どものいじめ被害は、表面化したときにはすでに心身への負担が大きくなっていることがあります。
とくに、暴行、脅し、金品の強奪、ネット上での悪質な誹謗中傷など、行為の内容によっては学校内の問題にとどまらず、警察相談や法的対応を考えるべき場面もあります。
その際に大切なのは、感情だけで動くのではなく、子どもの安全を優先しながら、起きた出来事と証拠を整理することです。
学校とのやり取り、SNSの記録、持ち物の破損、ケガの状況、子どもの話した内容などを時系列で残しておくことで、その後の相談や対応を進めやすくなります。
「学校に相談しても十分に伝わらない」「警察に相談すべきか判断がつかない」「証拠の整理の仕方が分からない」と感じるときは、無理に一人で抱え込まず、状況に応じた相談先を検討していくことが大切です。
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監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。 得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。 監修者・執筆者一覧へ
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