子どものいじめが、暴行、傷害、恐喝、強要、器物損壊、悪質なネット中傷などに当たる場合、学校内の問題だけではなく、刑事事件として扱われる可能性があります。
すでに学校や警察へ相談していても、「証拠が足りない」「被害内容を整理してほしい」と言われ、次にどう動けばいいのか分からない保護者も少なくありません。
いじめでも犯罪に当たる行為があれば刑事告訴を検討できますが、重要になるのは、誰が・いつ・どこで・何をしたのかを示す証拠です。
この記事では、いじめで刑事告訴を検討できるケース、被害届との違い、少年法による扱い、必要な証拠まで分かりやすく解説します。
結論:いじめでも、行為が犯罪に当たる場合は刑事告訴を検討できます。
ただし、「いじめを受けた」という説明だけではなく、暴行・脅迫・恐喝・強要・器物損壊など、具体的にどのような行為があったのかを証拠とともに示すことが重要です。加害者が未成年の場合は、年齢によって少年法上の扱いも変わります。
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いじめという名称だけで刑事事件になるわけではありません。
しかし、実際に行われた行為が刑法などに触れる場合は、学校内の問題とは別に、警察への相談や刑事告訴を検討できます。
重要なのは「いじめだったか」ではなく、「具体的にどのような行為が行われたか」です。
実際にどの犯罪が成立するかは、行為の内容、被害の程度、証拠などによって個別に判断されます。
学校が加害側への指導や事実確認を行っている場合でも、それだけで刑事上の問題がなくなるわけではありません。
犯罪行為として扱うべきいじめについては、学校と警察が連携して対応することも求められています。
学校内の指導と、刑事上の責任を問う手続きは別のものとして考える必要があります。
警察へいじめ被害を伝える方法には、相談、被害届、刑事告訴などがあります。
特に刑事告訴は、単に被害があったことを伝えるだけではなく、犯罪事実を申告し、加害者の処罰を求める意思を示す手続きです。
どの方法を取る場合でも、被害内容を具体的に説明できる証拠や時系列が重要になります。
子どもの話だけでなく、客観的な資料を組み合わせることで、事実関係を説明しやすくなります。
警察へ相談したものの、その場ですぐに事件化しなかったケースもあります。
その場合は、同じ相談を繰り返すだけでなく、不足している証拠や事実関係を補い、再度説明できる状態へ整えることが重要です。
いじめの加害者が未成年の場合は、成人事件とは手続きが異なります。
特に重要なのは、加害者の年齢によって刑事責任や少年法上の扱いが変わるという点です。
「未成年だから何も処分されない」というわけではなく、14歳未満、14歳以上17歳以下、18歳・19歳でそれぞれ手続きが異なります。
14歳未満の子どもは、刑法上の刑事責任を問われません。
ただし、暴行、傷害、恐喝など刑罰法令に触れる行為をした場合は、少年法上の「触法少年」として扱われます。
刑事罰を科されるわけではありませんが、警察による調査や児童相談所への送致、一定の場合には家庭裁判所での審判につながることがあります。
「相手が13歳だから警察へ相談しても意味がない」と考える必要はありません。
14歳以上で犯罪に当たる行為をした少年は、少年法上の「犯罪少年」として扱われます。
事件は原則として家庭裁判所へ送られ、事件内容や少年の年齢、家庭環境などを踏まえて処分が検討されます。
暴行、傷害、恐喝、強要など、いじめの中で行われた具体的な行為によっては、少年事件として扱われる可能性があります。
民法上の成年年齢は18歳ですが、18歳・19歳も少年法の対象です。
ただし、18歳・19歳は「特定少年」として扱われ、17歳以下とは一部異なる特例があります。
事件は原則として家庭裁判所へ送られますが、事件内容によっては検察官へ送致され、刑事裁判へ進む可能性もあります。
少年事件では、事件内容だけでなく、少年の年齢、生活環境、家庭状況なども含めて家庭裁判所が調査します。
そのうえで、保護観察、少年院送致、検察官送致などの処分が検討されます。
加害者が未成年であっても、犯罪行為がなかったことになるわけではありません。
加害者の年齢別の考え方
年齢だけで判断するのではなく、実際にどのような行為があり、どのような被害が生じたのかを証拠とともに整理することが重要です。
「いじめは学校内の問題だから刑事事件にはならない」と考えられることがありますが、実際には暴行・傷害・恐喝などとして検挙・補導されている事例があります。
警察庁によると、令和6年中のいじめに起因する事件の検挙・補導人員は457人で、その約半数を中学生が占めています。
「いじめ」という呼び方ではなく、実際に行われた個々の行為が犯罪に当たるかどうかで判断されます。
警察庁の統計では、いじめに起因する事件として暴行や傷害などが実際に検挙・補導されています。
過去の警察白書にも、いじめを受けていた中学生が自殺した事案で、遺書に名前が記載されていた14歳の少年が暴行で検挙された事例が掲載されています。
このように、継続的ないじめの中に暴行などの犯罪行為が含まれていれば、学校の指導とは別に刑事・少年事件として扱われることがあります。
金銭を要求する、断れば暴力を振るうと脅す、物を持ってこさせるといった行為は、内容によって恐喝や強要などが問題になります。
警察の過去の統計でも、いじめに起因する事件では傷害・暴行と並んで恐喝が多数確認されています。
いじめをめぐる裁判では、「いじめがあった」という一言だけで判断されるわけではありません。
裁判所は、殴る、蹴る、押さえつける、物を壊すなど、具体的にどの行為がいつ行われたのかを証拠から確認します。
実際の裁判例でも、継続的な暴行や身体的ないじめについて、個々の行為ごとに事実認定が行われています。
大津市の中学生いじめ自死をめぐる民事裁判では、少年らによる複数のいじめ行為や、自死との因果関係、損害賠償責任などが争われました。
こうした裁判例を見ると、後から責任を問う際には、単発の証拠だけではなく、継続していた行為・時系列・学校の対応・被害児童の変化などを含めた全体の記録が重要になることが分かります。
学校や警察へすでに相談したものの、「証拠が十分ではない」「もう少し具体的な資料が必要」と言われるケースもあります。
この場合、同じ説明を繰り返すだけではなく、警察が確認しやすい形に被害事実を整理し直すことが重要です。
刑事告訴を検討する場合も、「いじめられている」という説明だけではなく、個々の行為を裏付ける資料を揃えていきます。
証拠不足と言われても、すべての証拠がないという意味とは限りません。
不足している部分が分かれば、次に何を記録すべきかも明確になります。
子どもの話と周辺資料が一致していくことで、被害状況を第三者へ説明しやすくなります。
登下校、放課後、駅、公園、商業施設など、学校側が確認できない場所で被害が続いている場合があります。
発生する曜日や時間帯、場所などがある程度分かっている場合は、第三者による行動確認や撮影によって、実際にどのような接触や行為が起きているのかを記録できる場合があります。
学校や警察へ相談済みでも証拠が不足しているケースでは、こうした外部での記録が追加資料になることがあります。
※調査は対象場所や状況を確認し、関係法令やプライバシーに配慮した適法な範囲で行います。
刑事告訴を考えている場合に重要なのは、「証拠の量」だけではありません。
誰が・いつ・どこで・何をしたのかと、それを裏付ける資料が対応していることが重要です。写真やスクリーンショットを大量に集めるだけでなく、時系列に沿って整理しておきます。
いじめが学校内で起きている場合、まず学校へ相談することは重要です。
ただし、暴行、傷害、恐喝、強要など犯罪に当たり得る行為が含まれている場合は、学校内の指導と刑事手続きを同じものとして考える必要はありません。
学校が対応中であっても、被害内容によっては警察への相談や刑事告訴を並行して検討できます。
いじめを把握した学校には、被害児童生徒の安全確保や事実確認、必要な対応を組織的に進めることが求められます。
重大な事案や犯罪行為として扱うべきケースでは、学校だけで抱え込まず、警察などの関係機関と連携することも重要です。
学校が「いじめ」と認定したかどうかと、刑事上の犯罪が成立するかどうかは同じ判断ではありません。
刑事手続きでは、殴った、金銭を要求した、脅した、物を壊したなど、具体的な行為と証拠が重要になります。
口頭だけで終わらせず、メールや文書、面談メモなどで残しておくと、後から経過を説明しやすくなります。
刑事告訴を検討する場合でも、すべてを保護者だけで進める必要はありません。
「事件として相談したい」「告訴状を作りたい」「証拠が足りない」など、現在の状況によって相談先を使い分けます。
暴行、傷害、恐喝、強要など具体的な犯罪被害が疑われる場合は、警察へ相談します。
すでに相談済みの場合は、初回相談後に新しく確認できた証拠や学校とのやり取りを追加して、事実関係を整理したうえで再相談します。
告訴状の作成や提出、成立し得る犯罪の整理など、刑事告訴を具体的に進めたい場合は弁護士への相談が重要になります。
特に、複数の行為が長期間続いているケースでは、どの行為を刑事上の問題として整理するのかを専門家と確認することで進めやすくなります。
登下校や放課後など、学校外で繰り返される行為の証拠が不足している場合は、第三者調査を検討できます。
発生する場所・曜日・時間帯などが分かっていれば、誰が・どこで・何をしているのかを客観的に記録できる場合があります。
具体的な調査方法は、前章で説明した証拠収集の内容をもとに検討します。
刑事告訴を考えるほど深刻ないじめでは、証拠や手続きだけに意識が向きやすくなります。
しかし、最も優先すべきなのは被害を受けている子どもの安全と安心できる環境です。
刑事手続きを進めること自体が子どもに負担となる場合もあるため、本人の状態を見ながら進める必要があります。
証拠を集めたいからといって、同じ出来事を何度も詳しく聞くと、子どもに大きな負担を与えることがあります。
最初に話してくれた内容はできるだけそのまま記録し、その後は必要に応じて専門家と相談しながら確認します。
強い怒りから、加害児童や保護者へ直接抗議したくなることがあります。
しかし、証拠が十分でない段階で直接対立すると、証拠を消されたり、その後の事実確認が難しくなったりする可能性があります。
まず証拠と事実関係を整理し、学校・警察・弁護士など第三者を通して対応することを検討します。
加害側への怒りから、名前や写真、学校名などをSNSへ投稿することは避けた方が安全です。
刑事告訴を検討している場合ほど、公開の場で争うのではなく、証拠を保全して正式な相談先へ提出することが重要です。
Q
相手が中学生でも刑事告訴できますか?
A
年齢によって手続きは異なります。14歳以上であれば犯罪少年として少年事件の対象になり得ます。14歳未満の場合は刑事責任は問われませんが、触法少年として警察・児童相談所・家庭裁判所の手続きにつながる場合があります。
Q
被害届を出してから刑事告訴することはできますか?
A
被害届と刑事告訴は役割が異なります。すでに被害届を提出している場合でも、その後の状況や証拠を踏まえて刑事告訴を検討することは可能です。具体的な進め方は警察や弁護士へ確認してください。
Q
子どもの証言だけでも刑事告訴できますか?
A
子どもの話も重要な情報ですが、可能であれば裏付けとなる資料を集めます。ケガの写真、診断書、LINE・SNS、学校とのやり取り、目撃情報などを組み合わせることで、被害内容を説明しやすくなります。
Q
警察に証拠不足と言われたら、もう刑事告訴できませんか?
A
不足している証拠や事実関係を整理する余地があります。いつ・どこで・誰が・何をしたのかを時系列で整理し、写真、動画、SNS、診断書、学校記録など追加できる資料がないか確認します。
Q
学校がいじめを認めていなくても警察へ相談できますか?
A
学校の認定と犯罪行為の判断は別です。暴行、傷害、恐喝など具体的な被害がある場合は、残っている証拠を整理して警察へ相談することを検討できます。

いじめで刑事告訴を考える場合、「いじめを受けている」という言葉だけでなく、具体的にどのような犯罪行為が行われたのかを整理することが重要です。
暴行、傷害、恐喝、強要、器物損壊などに当たり得る行為があれば、学校内の指導だけではなく、少年事件・刑事事件として扱われる可能性があります。
すでに学校や警察へ相談していても、証拠不足で進んでいない場合は、何が不足しているのかを確認し、事実と証拠を対応させて整理し直すことが次の一手になります。
そのうえで、刑事告訴を具体的に進める場合は弁護士、学校外での行為や加害者の行動を客観的に確認する必要がある場合は、専門調査を検討してください。
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監修者・執筆者 / 山内
探偵業務歴20年以上。嫌がらせ・ストーカー・対人トラブルを専門とし、現在も現場で調査・相談対応を行っています。2026年にはNHK「おはよう日本」へ取材協力・出演し、ストーカー被害や早期相談の重要性について解説しました。監修者・執筆者一覧へ
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