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いじめ、不倫、金銭トラブル、パワハラなど人間関係に苦しむ人は少なくありません。その一方で、「自分を苦しめた相手にダメージを加えたい」と、反撃を目論む人もいます。そうした、恨みの感情や人間関係のゆがみを利用するビジネスが「復讐代行」です。
こうした「復讐代行屋」(「復讐代行業」「復讐屋」とも呼ばれます)は、依頼人から報酬を受け取り、ターゲットの人物に復讐を請け負います。しかしながら、復讐代行屋を利用したことによって、刑法や器物損壊罪、名誉毀損罪で逮捕される事件も起きています。
この場合、復讐代行屋はもちろん、復讐を依頼した人も共犯となります。ここでは、そういった「復讐代行屋」の危険な実態と、依頼してはならない理由について解説します。
現代の復讐代行は、殺人や脅迫、傷害など、荒々しい行為には手を染めず、実際にはささいな嫌がらせを繰り返し、ターゲットの人物を精神的に追い詰めます。
自宅や勤務先、携帯電話に無言電話をかけたり、ピザなどの出前を大量注文したり、自宅ポストに汚物を入れたりし、加えて、家族や勤務先に誹謗中傷メールを送りつけたりもします。
結果として、ターゲットの人物に精神的ダメージを与えるだけではなく、その周囲の人間関係を壊すことにもつながっていきます。
はじめから詐欺を目的として、復讐代行を名乗る業者も多く、依頼人がお金を支払った途端に連絡が取れなくなるケースもよくあります。
ご依頼者は、復讐代行を依頼していることが明るみになることを恐れ、警察にも相談できず、結局は泣き寝入りすることがほとんどです。
こうした業者による詐欺には、「復讐を実行しない」というケースに加え、「復讐を依頼したことをターゲットの人物に伝える」と依頼者を脅すなどといった、弱みに付け込んだ恐喝をはたらくこともあります。
復讐代行屋は、その名の通り「報酬を支払えば、気に入らない相手に社会的な制裁を与えてる」という触れ込みで営業しています。その報酬は、数十万円から請け負う嫌がらせから、数百万円で殺人まで請け負う業者も存在するとされています。
その行為のほとんどは、迷惑防止条例や名誉毀損罪、侮辱罪、脅迫罪、器物損壊罪、偽計業務妨害罪、暴行罪、傷害罪など、刑法上の罪に問われる可能性のある違法行為といえます。
報酬と引き換えに復讐を代行する依頼行為を規制する法律はないものの、復讐代行屋がこうした違法行為によって、依頼内容を実行しているとなれば、依頼人も共犯として、逮捕される可能性が高いといえます。
理不尽な嫌がらせや、自分一人では解決し難い人間関係トラブルなど、公に裁かれることのない悩み事を抱え、悔しい思いをしている場合、損害賠償など、法的に処罰できる場合であれば、探偵・調査会社に依頼し、事実関係を明らかにした上で、裁判などに訴えるのが、合法的な“復讐”といえます。
堅実に営業している探偵・調査会社であれば、請け負った依頼内容が違法な内容であれば、その依頼を受けることはありませんし、あくまで「探偵業法」に則った上で調査を行います。
「復讐代行屋」に、仕事を依頼すること自体を規制する法律は存在しませんが、その業者が、さまざまな違法行為によって依頼内容を実行し、逮捕された場合、依頼人も「共謀共同正犯」「教唆犯」とされる可能性が高いといえます。
その行為が重大犯罪であり、依頼者の意向が強く反映された結果であれば、自らは犯罪に手を染めていなくとも、場合によっては、依頼者側が重い罪を被るケースもあります。
復讐代行屋に依頼した場合、契約トラブルが生じた際に救済が期待できないリスクがあります。社会通念上、第三者への加害などを内容とした請負契約などは民法上の「公序良俗違反」に該当し、その契約自体が無効となる可能性が高いといえます。
依頼した復讐の内容によっては、その契約自体が公序良俗違反で無効である場合、依頼者は業者に対し履行させ、または代金の返還をさせる請求権がなく、民事訴訟で公的な救済を求めることは不可能となります。
実際、着手金前払いにより騙されるケースが非常に多く、何もしない詐欺業者もあることは前述した通りです。また、逆に依頼した事実を基に脅され、金銭を詐取される可能性もあります。
反社会的な依頼は、依頼者側がさまざまな犯罪に巻き込まれる危険があると心得るべきでしょう。
復讐代行屋が請け負っている依頼内容として、詐欺・嫌がらせ・恐喝・いたずらなどです。その他、「別れさせ屋」として、ストーリーを作って、男女間の関係を壊す行為を専門に請け負う業者も存在します。
主として、嫌がらせ行為によって、ターゲットの人物を精神的に疲弊させ、うつに追い込む手法もあります。さらに、集団的にターゲットの人物に対して、痴漢冤罪を仕掛けるという事例もあります。
原因や事の経緯には、さまざまな背景があるとはいえ、こうした行為は明らかに犯罪行為であり、復讐代行屋の業務内容のほとんどは「違法」と判断できるでしょう。
ネットで「復讐代行」と検索すると、実に約220万件もヒットします。その中には広告も多く存在し、ほとんどの復讐代行屋が、ネット経由で集客していることが分かります。
いまや、広告業界は他のメディアを凌駕し、最もメジャーな広告媒体となりましたが、そこに「広告審査」という考えはなく、こうした悪徳業者も堂々と広告を打てるのが現状です。
その中には、信用性を高めるため、探偵・・調査会社を名乗る業者も存在し、偽造されたと思われる探偵業届出証明書も掲載されているケースもあります。
我々、探偵業界としては迷惑この上ない話ですが、こうした悪徳業者のネット広告を現行の法律で取り締まることもできず、検索サイト側で規制することも期待できません。
検索サイト側も、それが悪徳業者であっても、広告を出稿してくれる大事な“お客様”であるからです。そこに、善悪といった判断材料は皆無といっていいでしょう。
復讐代行屋に依頼して、実際に復讐が行われたケースもあります。しかしながら、復讐代行屋の主な収入源となっているのは、復讐による報酬ではなく、依頼者への脅迫という現実があります。復讐代行の金額は、内容によっては数百万円と高額です。
しかし、依頼人側が頭に血が上っている状態では、その依頼金額を支払ってまで、本当に復讐を依頼する人もいます。しかし、その結果、本当に復讐が実行されずに、逆に、依頼したことで弱みを握られ、恐喝される事例が後を絶ちません。
このような復讐代行屋の目的は初めから詐欺だといえます。
また、復讐代行屋と名乗り、「あなたに対しての復讐依頼を当社が請け負うことになりました」と、実際の人間関係や勤務先名などの個人情報とともに記され、加えて、「ご連絡なき場合は行動に移させていただきます」などといった脅し文句で締められている手紙が投函される被害が報告されています。
冷静に考えれば詐欺であることは明白ですが、個人情報が記されている恐怖から、うかつに連絡してしまい、示談金を詐取されるケースもあるようです。
復讐代行屋は、頭に血が上り、冷静な判断ができない人をターゲットとして、悪徳商法を仕掛けてくる業者であると考えましょう。
たしかに、探偵・調査会社に依頼すれば、「相談→見積もり→調査→証拠収集→調査報告→弁護士などの専門家に依頼→提訴あるいは示談・話し合い」といった手順を踏む必要があり煩雑に思えるかもしれません。
しかしながら、だからといって、怒りの感情に任せて、悪事に手を染めてしまっては元も子も失うことになります。
残念なことですが、ごく一部の探偵・調査会社では、“副業”として、こうした違法な業務を請け負う業者も存在します。
探偵・調査会社の主な業務は浮気調査、素行調査、人探し調査などに加え、嫌がらせしてくる人物の特定やストーカーの特定、仕掛けられた盗撮器や盗聴器を探し出すことです。
その多くは尾行や張り込み、聞き込みなどに限られます。これを逸脱し、調査対象者への嫌がらせ行為などは、探偵業法に則った「人の生活の平穏を害するなど、個人の権利利益を侵害することがないようにしなければならない」という規則に反した違法行為となり、探偵業を続けられなくなります。
よって、「復讐代行」や「別れさせ屋」をうたった探偵・調査会社が違法営業を行っている可能性が高いといえるでしょう。
社会生活を営む上で、思わぬトラブルに遭遇することもあります。その中で他者への恨みの感情を持つこともあるでしょう。しかし、復讐自体が法に触れる可能性が高いですし、さらに、復讐代行屋などに接触するのは危険です。
自治体の法律相談や法テラスを利用するのも、一つの手です。それでも解決が難しく、訴訟問題に発展しそうなほどのトラブルに巻き込まれたときは、人物調査や証拠収集の専門家であるファミリー調査事務所にご相談下さい。
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