昨今、警察が取り締まりを急拡大させている「トクリュウ」をご存知でしょうか。
お互いに素性を知らない人間達で構成された犯罪グループのことで、実行役に加えて指示役が存在しています。
実行役は指示役の素性を知らないため、実行役を捕まえただけでは犯罪の根本解決に至らない厄介さが特徴です。
また、実行役はSNSでも募集されており、高収入につられて気軽に犯罪へ加担してしまう人もいます。
トクリュウは反社会的勢力との関わりもあるため、反社認定されて社会復帰が難しくなるリスクも。
そうなる前に、周囲の人がトクリュウと関わっていた場合にはすぐに足を洗わせることが必要になります。
調査のプロである探偵によって、トクリュウからの脱却のきっかけ作りが可能です。
この記事では、トクリュウの危険性や被害事例をご紹介します。
「トクリュウ」は新しく生まれた言葉なので、まだその意味を知らない人が多いのが実情です。
しかし、今後の犯罪を語る上では知っておくべき言葉となりますので、どのようなものを指すのか把握しておきましょう。
トクリュウとは「匿名・流動型犯罪グループ」の略称で、犯罪組織の中でも構成員の変更が多く、構成員ですら組織の構造を把握していないものを指します。
トクリュウ組織の手口は、指示役がSNSなどを使って実行役を匿名で集めて犯罪を行なわせます。
また、各種連絡はテレグラムなどの履歴が消えるチャットツールを用い、足がつかない対策も徹底。
これにより、実行役は逮捕されても指示役の情報は何も知らないため、指示役の素性がバレる可能性を軽減可能です。
指示役は実行役を次々使い捨てるため、第二第三の被害が続いてしまいます。
トクリュウの元締めとなる指示役は、暴力団構成員や暴力団と関係がある半グレの場合もあり、新しい組織犯罪の形と言えるでしょう。
警察は2023年7月から上記の手口を取る組織を「匿名・流動型犯罪グループ」(トクリュウ)と命名し、対策強化を進行中です。
トクリュウの元締めとしては、さまざまな個人・グループが候補に上がります。
どのような個人・集団がトクリュウを構成するのか、確認しておきましょう。
いわゆる「半グレ」と呼ばれる、暴力団にならないながらも同様の犯罪を行なう集団です。
みかじめ料の徴収や薬物販売、債権回収などを行なって生計を立てています。
半グレは活動のために暴力団とも関係を持つ場合も多く、発展すれば暴力団と同様の組織となる可能性もあるでしょう。
特殊詐欺を専門に行なう集団は、半グレになりきれない若者が構成している場合が多いです。
楽にお金を稼ぐために、真っ当に働かずに特殊詐欺に手を染めています。
いわゆる闇バイトの募集を行なっているのも、この若者だと言われています。
半グレを専業にせず、他の仕事も持っている場合は「兼業半グレ」と呼ばれます。
兼業半グレの多くはITビジネスで財をなし、事業の一つとして隠れて半グレ行為も行なっています。
このような兼業半グレは社会的な表の顔を活かし、実態を上手く隠す傾向が強いです。
暴力団を抜けても過去の経歴により社会復帰できなかった人は、再び暴力団のような行為を行なう「準暴力団」となります。
過去の暴力団時代の人脈・知識を活かして、すぐに巧妙な犯行ができてしまいます。
また、組織の関与を匂わせないために、あえて暴力団の看板を外して特殊詐欺を行なう偽の準暴力団も存在します。
まだ実例は少ないですが、日本国内に外国人が訪れることも増えたため、外国人犯罪グループの進出も考えられます。
日本にいる外国人に対して、闇バイトのような犯罪参加を要請するケースもあり得ます。
下記の集団は日本での活動が確認されているため、動向を注視しておきましょう。
トクリュウはどのような犯罪に関与するのでしょうか。
新しい犯罪の形であるため、これまで聞き慣れないものも含まれます。
下記のような犯罪の陰には、トクリュウが絡んでいるかもしれません。
トクリュウの取り締まりが強化されたのは、社会問題化した闇バイト対策の側面が強いです。
■闇バイト
高収入を謳って犯罪行為に加担させられるアルバイト
闇バイトの代表的な行為を確認して、もし加担させられそうな場合はすぐに離れましょう。
オレオレ詐欺や架空請求といった特殊詐欺も、トクリュウが裏で動いている場合があります。
実行犯をSNSなどから匿名で集め、逮捕リスクのある電話やメール送信といった役目を担わせます。
通話履歴や通信を辿られて実行犯は捕まってしまいますが、犯行の指示を匿名で行なえば指示役の足はつきにくいでしょう。
薬物の売買や輸送も、トクリュウが末端の実行役に指示するケースが増えています。
SNSの募集においては、薬物の知識を持つ人間なら分かる隠語や絵文字を使用して希望者を募ります。
実行役が何を運んでいるかも知らない場合があり、もちろん誰に指示されたかも知りません。
デリバリーサービスの仕事よりも割が良いと考える人もいますが、逮捕リスクを天秤にかければ加担すべきでないのは明白です。
ホストクラブを利用した女性が代金を払えない場合、残額を「売掛金」としてツケ払いする風習があります。
売掛金回収のために、ホストが女性客に売春行為をさせることが社会問題化しつつあります。
しかし、この裏にもトクリュウが絡んでいると言われています。
ホストが売掛金のある女性を裏にいるトクリュウ絡みのスカウトに紹介し、海外で風俗の出稼ぎをさせて、売上の数割をトクリュウが徴収するシステムです。
この動きにも警察のメスが入り、悪質な売掛金回収を行なうホストクラブや違法スカウトグループの摘発が続いています。
道具屋とは、裏社会の犯罪グループ向けに使い捨ての携帯電話や架空口座を販売する人のことです。
一昔前まで道具屋は立場の低い存在でしたが、使い捨て携帯電話や架空口座の必要性が高まった結果、需要が一気に高まっています。
この道具屋をトクリュウが行なっている場合があり、末端業務をSNSで集まった人々に担わせることも。
例えただ物品を売っただけであっても、犯罪行為への加担であることに変わりありません。
法定金利を超える悪質な金利請求を行なう闇金も、最近ではトクリュウが手を引いています。
取り立て役をSNSで募集し、誰に呼ばれたかもわからない人たちが取り立ての連絡を送るのです。
指示役は拠点となる場所に身を置かないため、簡単に身元が割れないようになっています。
SNSで集められた人が、わけもわからぬまま指示された行為をそのまま実行するケースもあります。
この行為は、特定の相手を対象とした嫌がらせの可能性があるでしょう。
実行された行為の意味がわかる人であれば、大きなダメージを受ける内容です。
また、実行役を次々入れ替えることで、まるで集団で嫌がらせ行為をしている印象を与える狙いもあります。
単発バイトの募集があった場合は、こうした嫌がらせ行為への募集である可能性を考慮しましょう。
過去にトクリュウが起こした事件は、いずれも多くの被害者を生んだものばかり。
どれだけの被害をもたらすのか把握して、警戒を強めましょう。
トクリュウや闇バイトの存在を世に知らしめたのが、2022年5月に京都府京都市から発生した広域強盗事件です。
2023年1月の狛江強盗殺人事件が全国的なニュースとなるまで、実に14件の強盗事件に同一グループが関与していました。
警察の捜査によって、SNSで集められた実行犯やその調整役は逮捕されましたが、首謀者の足取りは掴めないまま。
捜査が進展し、首謀者はフィリピンを拠点にする特殊詐欺グループ幹部で「ルフィ」を名乗る男と明らかになり、逮捕に至りました。
この事件をきっかけに、トクリュウに対処する世の中の動きが生まれたといえます。
2024年2月に、トクリュウが首謀する沖縄の闇金グループが逮捕されました。
沖縄県警沖縄署は14日、違法な高金利で現金を貸し付けたとして、出資法違反(高金利)の疑いで、沖縄市の建築作業員の容疑者(25)らいずれも県内の20~50代の男計9人を逮捕した。発表によると、全国に600人以上の債務者がおり、貸し付けは約4200件で延べ約4億円に上るという。関係者によると、指示役はカンボジアに滞在しているとみられ、県警は警察庁などと逮捕に向けて調整している。同日付で玉那覇潤沖縄署長を長とする130人態勢の合同捜査本部を設置した。
逮捕された9人が所属するヤミ金グループは、警察庁が全国の警察に摘発強化を指示している「匿名・流動型犯罪グループ」(通称トクリュウ)に当たり、県内では初摘発となる。捜査本部は、背後に暴力団組織が関与している可能性も視野に調べる。
(引用:「強盗して返済しろ」と債務者に迫る ヤミ金グループの男9人、出資法違反の疑いで逮捕 指示役はカンボジアに滞在か 沖縄署 | 沖縄タイムス+プラス)
返済ができない債務者には闇バイトをあっせんしてお金を用意させようとするなど、違法な取り立てが行なわれていました。
昨今SNSを経由する闇金も活動しており、その裏にはトクリュウがいる可能性もあるでしょう。
近年では、ホストクラブによる客への悪質な料金取り立てが話題になることが多いです。
ツケ払いとなる売掛金の支払いができない女性客に、スカウトが風俗業をあっせんしていると言われています。
中でも東京・歌舞伎町を拠点とする1500人規模の違法スカウトグループ「ナチュラル」が捜査当局からも目をつけられていました。
2023年11月に組織内での暴力行為の疑いで、幹部を含めた14人が逮捕されました。
このようなスカウトグループに参加する人の中には、収入を得るために闇バイトに手を出す人がいることも。
また、スカウトグループの裏にはトクリュウが絡んでいると警察は睨んでおり、今後さらに捜査が進むと思われます。
もしトクリュウに加担してしまった人には、どのような影響が出るのでしょうか。
組織の実態を知らなかったとはいえ、将来に大きな悪影響を残す可能性があります。
トクリュウに加担することは、犯罪行為に手を染めるのと同じです。
例え参加した組織の実態を知らなかったとしても、言い逃れはできません。
逮捕されて、実行した行為に科せられる量刑を受けることとなるでしょう。
闇バイトなどの参加者は逮捕時に「犯罪だと思わなかった」と供述することが多く、犯罪に関する知識が乏しいことも。
人の話を疑わない人や、お金がどうしても必要な人ほどトクリュウに関与して逮捕という結末を迎えやすいです。
トクリュウに関与した履歴があれば、反社会的勢力との関与を疑われてしまいます。
トクリュウの中には暴力団関係者が首謀者となるものもあり、そのような組織と関与した人ももれなく反社会的勢力の一員とみなされるでしょう。
反社認定をされてしまえば、後述するようなデメリットが生じ、社会生活を送るのが難しくなってしまいます。
さまざまな契約において、必ず反社会的勢力との関係の有無は確認されます。
反社認定されると、以下についての契約ができなくなります。
反社会的勢力排除の動きはどんどん拡大しており、今後も反社はさまざまな制限を受け続けるでしょう。
もしトクリュウに加担してしまえば、その後の生活が大きく制約されることを頭に入れるべきです。
トクリュウに関与して逮捕されることで、名前が実名報道されてしまう可能性があります。
もし犯罪者として自分の名前が掲載されたら、インターネット上に犯罪者として名前が残り続けるのです。
そうなれば、就職や結婚などライフステージの転換イベントが、過去の犯罪歴を理由に破断となることも。
例え刑に服したとしても法律上の責任を果たしただけなので、過去の犯罪歴が消えることはありません。
理想通りの人生を歩むなら、トクリュウとは一切関与しない姿勢が重要です。
トクリュウに関わって逮捕された場合、刑期満了後も過去の犯罪歴に加えて反社との関与疑いが足を引っ張り続けます。
よって、通常の犯罪より社会復帰が難しくなる傾向が強いです。
社会復帰できなければ、より重大な犯罪に手を染めてしまう可能性も。
そうなる前に、トクリュウからの早期脱却が必要になります。
もし周囲の家族・親類・知人に怪しい動きがあれば、トクリュウと関わりを持っているかもしれません。
トクリュウとの関与を突き止めるには、探偵による調査がおすすめです。
尾行・聞き込み・張り込みといった方法を駆使し、対象人物にトクリュウとの関わりがないか調べ上げます。
調査結果を証拠とすれば、トクリュウから足を洗うための説得も可能でしょう。
また、トクリュウの犯行の一環による嫌がらせ被害においても、探偵調査によって実態を把握できます。
他にも、トクリュウから足を洗いたい方からのご相談も受け付けています。
トクリュウに関するお悩みがあれば、当探偵事務所にご相談ください。
電話・メール・LINEから24時間365日受け付けております。
まず、現状について相談することから始めましょう。
現在お持ちのお悩み事、被害の状況、対策依頼に関する質問や要望などのご相談が可能です。
※docomo・au・softbankなどの携帯電話アドレスはドメイン指定設定により毎月10件以上の「送信エラー」が起こっているため、フリーメール(GmailやYahoo!mail)の利用をおすすめします。しばらく経っても返信が来ない方はお電話にてご確認くださいませ。
Ranking
Copyright(C) ストーカー・嫌がらせ対策専門窓口. All Rights Reserved.
(C) ストーカー・嫌がらせ対策専門窓口