
読売新聞とトレンドマイクロの共同調査により、日本国内に設置された約500件のネットワークカメラのライブ映像が、海外のサイトで誰でも閲覧可能な状態になっていることが判明しました。
読売新聞、保育園、食品工場、高齢者施設、さらには個人宅の玄関先まで、本来プライバシーが守られるべき空間が、知らぬ間に世界中に公開されていたのです。
この事態を極めて深刻に受け止めています。
なぜなら、漏えいした映像は単なる「覗き見」に留まらず、組織的な嫌がらせや犯罪行為の踏み台として悪用される可能性が非常に高いからです。
この記事では、嫌がらせの調査に特化した探偵の目線で解説します。
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日本の屋内・敷地内に設置され、インターネットにつながった「ネットワークカメラ」のライブ映像約500件が海外のサイトに公開され、誰でも見られる状態になっていることが読売新聞と情報セキュリティー会社「トレンドマイクロ」(東京)の調査でわかった。屋内の映像は保育園や食品工場など90件。設置場所・状況を確認できた屋内のカメラの大半は、防犯・見守りや安全管理を目的に導入されたもので、無断でサイトに公開されていた。
引用元:読売新聞オンライン|保育園や工場の防犯カメラ映像、500件が海外サイト流出…設定に不備「犯罪に悪用される恐れも」(2025年11月4日)

漏えいした映像は、犯罪や嫌がらせに悪用できます。
ここでは悪用が考えられる犯罪や、嫌がらせについて解説します。
漏えいした映像から得られる情報は、ストーカーにとって「宝の山」です。
民家の玄関先や集合住宅エントランスの映像を継続的に観察することで、ターゲットの出勤時間、帰宅時間、休日の過ごし方など、生活パターンが完全に把握できます。
誰が訪問するのか、家族構成はどうなっているのか、どのような交友関係があるのかなどすべてが映像から読み取れます。
特に危険なのは、留守時間を正確に特定できてしまうことです。
空き巣や侵入のタイミングを計画する材料として、これほど便利な情報源はありません。
画像検索技術の進化により、映像から撮影場所を特定することは驚くほど容易になっています。
画像検索機能の向上などにより、映像からカメラの設置場所を特定することは容易になってます。
建物の外観、看板、周辺の風景などから、AIを使えば数分で住所を割り出すことも可能になっています。
今回の調査では、関西地方の保育園、東海地方の食品加工工場、関東地方のパン工場、九州地方の設備会社など約20か所が特定されました。
こうした企業施設の映像漏えいは、産業スパイや組織犯罪グループにとって格好の情報源となります。
警備員の巡回ルート、監視の死角、従業員の勤務体制といったセキュリティ体制が丸見えになるだけでなく、製造工程や設備配置、品質管理手法などの企業秘密まで窃取される可能性があります。
特に食品関連施設の場合、映像を基にした脅迫「異物を混入する」といった犯行予告に悪用されるリスクも考えられます。
実際に侵入しなくても、「映像を見ている」という事実を示すだけで、企業は深刻な脅威にさらされます。
保育園や高齢者施設の映像は、悪質な嫌がらせに悪用できます。
今回の調査で複数の保育園の映像が漏えいしていたことが判明しています。
漏えいした映像と顔認識技術と組み合わせることで、映像に映る子どもや高齢者を個人レベルで特定することが可能です。
そして恐ろしいのが、実際には問題のないシーンを切り取り、SNSで「虐待」として拡散する悪意ある行為です。
保育士が子どもの腕を引いて誘導している場面、介護士が入浴介助をしている場面など、日常的な保育・介護の一コマを切り取れば、悪意を持って編集することでいくらでも「不適切」に見せることができます。
こうした映像がひとたびSNSで拡散されれば、施設の評判は一瞬で地に落ちます。
保護者や家族への脅迫「お子さんの様子を見ている」「おばあちゃんが虐待されているのを知っている」といった心理的圧迫も実行できてしまいます。
保護者の不安を煽るデマ拡散や、施設の評判を毀損する嫌がらせは、事業継続を不可能にするほどの打撃を与えるでしょう。

漏えいした映像は、特定の人物や組織を攻撃するためのSNSハラスメントの格好の材料となります。
映像をキャプチャし、無関係な誹謗中傷と共にSNSに投稿する「晒し」に悪用されるケースも増えています。
最悪なパターンが、ディープフェイク技術との組み合わせです。
映像から人物の顔データを抽出し、偽造動画を作成することで、本人が決して行っていない行為をしているかのような映像を作り出すことができます。
今回の調査では、スーパーや飲食店、コインランドリーとみられる映像も確認されています。
つまり、不特定多数が利用する施設の映像は、偶然映り込んだ一般市民が標的になる危険性もあります。
一度ネット上に拡散した映像の完全削除は、事実上不可能です。
削除依頼を出しても、既にダウンロードされ、別のサイトやSNSで再拡散されていきます。
このプライバシー侵害の連鎖は、被害者の人生に長期的な影響を及ぼし続けます。
犯罪者は漏えい映像を利用して、巧妙な詐欺や恐喝を仕掛けることができます。
「あなたの家を監視している」という心理的圧力は、実際に映像を見ていることを具体的に示唆することで、被害者に強烈な恐怖を与えるのです。
例えば、「今日の午前9時15分に赤い服を着て出かけましたね」といった具体的な情報を提示されれば、多くの人は本当に監視されていると信じてしまいます。
生活パターンや人間関係の情報を詳細に把握することで、「息子さんが事故を起こした」「お孫さんが警察に捕まった」といった特殊詐欺の電話やメールが、より信憑性の高いものになるでしょう。
「いつも午後3時頃に帰ってくるお孫さんが」といった具体的な情報を織り交ぜることで、被害者の警戒心を解くことができます。
このように、漏えい映像は詐欺や恐喝などの犯罪にも悪用できます。

今回の大規模漏えいの背景には「セキュリティへの関心の薄さ」があります。
調査で判明した主な原因は、パスワード認証が未設定のまま使用されているケースや、映像の公開範囲を誤って設定しているケースでした。
具体的には、下記のような状態です。
これらの状態は全て、基本的なセキュリティ対策で防げる問題です。
しかし、多くの設置者が「映像は見られていないだろう」という思い込みのもと、設定を放置しているのが実態です。

すぐに実施可能なネットワークカメラのセキュリティ対策は下記のとおりです。
これらのセキュリティ対策を実施することで問題の早期発見につながります。
一方で、ネットワークカメラが漏えいしてないか確認するには専門的な知識が必要です。
セキュリティ対策会社による診断サービスを活用し、以下の点を確認することをすすめます。

今回の調査で明らかになったのは、日本全国で約1340件ものネットワークカメラ映像が海外サイトで公開されているという衝撃的な事実です。
そして、これは氷山の一角に過ぎません。
調査されていない他のサイトにも、さらに多くの映像が公開されている可能性があります。
漏えいした映像は、ストーキング、企業スパイ、保育園等での悪質な嫌がらせ、オンラインハラスメント、詐欺・恐喝など、あらゆる悪意ある行為に悪用される可能性があります。
犯罪者にとって、これほど便利で詳細な情報源はありません。
リアルタイムで更新され、長期間にわたって観察できる映像は、あらゆる犯罪計画の基礎資料となり得るのです。
「うちのカメラは大丈夫」「誰も見ていないはず」という根拠のない安心感こそが、最大のセキュリティリスクです。
あなたの組織や家庭に設置されているネットワークカメラの設定を確認し、必要なセキュリティ対策を実施してください。
セキュリティ対策は「後で」ではなく「今すぐ」です。
早期発見・早期対応が、被害を最小限に抑えます。
情報セキュリティに関する不安や疑問がある方は、当探偵事務所にご相談ください。
相談は24時間、365日受け付けています。
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監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。 得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。 監修者・執筆者一覧へ
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