
Webサイトのセキュリティが脆弱な場合、外部からの攻撃を受けるケースがあります。
中でも、クロスサイトスクリプティングによる攻撃で、Webサイトが大きな影響を受けてしまうケースが多いと言われています。
しかし、実際にどのような影響や被害があるのか、知らない人が多いのではないでしょうか。
Webサイトを利用しているユーザーにも被害が広がるため、決して他人ごとではありせん。
そこで今回は、クロスサイトスクリプティングの影響や被害の事例について解説します。
また、効果的な対応策も紹介するのでぜひ参考にしてください。
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Webサイトの脆弱性を突く攻撃の中でも、特に多くの被害を生んでいるのが「クロスサイトスクリプティング(XSS)」です。
クロスサイトスクリプティングは、ユーザーが安心して利用しているサイト上で不正なスクリプトを実行させ、情報を盗み出したり操作を乗っ取ったりする手法です。
この攻撃がどのように発生し、なぜ深刻な影響を及ぼすのか解説します。
クロスサイトスクリプティングは、Webページに悪意のあるスクリプトを埋め込み、ユーザーのブラウザ上で、そのスクリプトを実行させる攻撃です。
たとえば、掲示板やお問い合わせフォームのように、ユーザーが自由に文字を入力できる箇所に不正なコードを仕込むことで、攻撃が成立します。
入力内容をサーバーが正しく検証せずにそのまま表示してしまうと、他の利用者のブラウザでスクリプトが動作してしまうのです。
この仕組みを悪用することで、攻撃者はユーザー情報やCookieを盗み取ったり、画面を改ざんしたりします。
クロスサイトスクリプティングでは、見た目が通常のサイトとほとんど変わらないため、利用者が被害に気づきにくい点が厄介といえます。
Web開発者が「入力値の検証」や「出力時のエスケープ処理」を怠ると、サイトの脆弱性が生まれやすく、クロスサイトスクリプティングによる攻撃を受けやすくなるため、注意が必要です。
クロスサイトスクリプティングは、ブラウザ上で不正スクリプトを実行させる攻撃であり、SQLインジェクションのようにサーバー内部のデータベースを直接操作するわけではありません。
つまり、攻撃の「標的」が異なります。
SQLインジェクションがサーバー側のデータ取得や改ざんを目的とするのに対し、クロスサイトスクリプティングはユーザー側の情報を盗むことに焦点を当てています。
どちらも入力値の処理を誤ることが原因で起こりますが、クロスサイトスクリプティングは「ユーザー視点の被害」、SQLインジェクションは「サーバー視点の被害」といえます。
クロスサイトスクリプティングの目的は、単なるいたずらではありません。
攻撃者はユーザーのCookieやセッションIDを盗み出し、不正ログインを行います。
これにより、SNSアカウントやECサイトの購入履歴など、個人情報を自由に操作できるようになるのです。
また、特定のサイトを利用するユーザーに偽メッセージを表示させて、詐欺サイトに誘導するケースもあります。
攻撃者にとっての最終目標は、金銭的利益やデータの不正利用です。
企業サイトが被害に遭えば、顧客情報漏えいやブランド信用の失墜といった甚大な損害が発生します。
クロスサイトスクリプティングは、小さなスクリプトから始まり、大きな信頼の崩壊にまでつながる攻撃であることを忘れてはいけません。
クロスサイトスクリプティングには主に3つのタイプがあります。
攻撃コードをURLに仕込み、ユーザーがそのURLにアクセスした瞬間にスクリプトが実行される。
投稿フォームなどから入力された不正コードがサーバーに保存され、他のユーザーが閲覧するたびにスクリプトが実行される。
ページ内のJavaScriptが改変されることで発生する。
それぞれの発生経路が異なるため、すべての型を想定した包括的な対策が求められます。
単一の防御策だけでは、クロスサイトスクリプティングの被害を完全に防ぐことは難しいです。
クロスサイトスクリプティングは、ブラウザが「正しいスクリプト」と信じて処理する性質を悪用します。
ブラウザはサーバーから送られてきたHTMLやJavaScriptをそのまま実行するため、悪意のあるコードでも見分けがつきません。
攻撃者はこの仕組みを利用して、ユーザーの操作を介さずに情報を抜き取ったり、偽のページへリダイレクトさせたりします。
また、JavaScriptを通じてCookieや個人情報を収集するケースも多いです。
一見正常に動作しているように見えても、内部では不正な処理が進行していることがあります。
ブラウザのセキュリティ設定や拡張機能だけでは完全な防御はできないため、Webサイト側での対策が不可欠です。

クロスサイトスクリプティング攻撃を受けると、ユーザーの情報漏えいだけでなく、サイト運営者の信用や企業ブランドにまで大きな影響を及ぼします。
被害は技術的な範囲にとどまらず、経済的損失や社会的信用の低下といった二次被害にも波及します。
ここでは、実際に起こり得るリスクについて詳しく解説します。
クロスサイトスクリプティング攻撃によって最も深刻なのが、ユーザーのCookieやセッション情報の盗難です。
攻撃者はスクリプトを仕込み、被害者のブラウザからセッションIDや認証情報を抜き取ります。
これにより、攻撃者は正規ユーザーとしてログインし、不正操作を行えるようになります。
特に、ログイン中のユーザーはセッションハイジャックのリスクが高く、アカウント乗っ取りや個人情報の漏えいにつながります。
盗み取られたCookie情報は、攻撃者が本人になりすますための鍵となります。
これにより、第三者が個人情報を閲覧したり、金銭的被害を与えたりする恐れがあります。
また、アカウントが不正利用された場合、被害者自身の信用にも悪影響が及ぶため、二次被害を防ぐための迅速な対応が求められます。
クロスサイトスクリプティングによって悪意あるスクリプトが実行されると、ユーザーが自動的に外部の不正サイトへ転送されることがあります。
その結果、マルウェアをダウンロードしてしまったり、フィッシングサイトに誘導されたりするケースが多く報告されています。
攻撃者は巧妙に公式サイトを装い、入力フォームから情報を抜き取るため、一般ユーザーは気づかないまま感染・流出の被害を受けます。
ブラウザの警告だけでは防ぎきれない点も危険といえるでしょう。
クロスサイトスクリプティングによって、Webページの表示内容が改ざんされることがあります。
偽の広告や警告メッセージが表示されると、利用者は危険なサイトと判断して離脱します。
特に企業や自治体の公式サイトが改ざんされると、ブランドの信頼は大きく損なわれるため、再構築には長い時間とコストがかかってしまうでしょう。
たとえ短期間の被害であっても、企業イメージへのダメージは甚大です。

クロスサイトスクリプティングは、企業や公的機関を問わず、多くの被害をもたらしています。
過去の国内外の事例を通じて、攻撃がどのように拡散し、どのような影響を及ぼしたのかを具体的にご紹介します。
大手SNSで発生したクロスサイトスクリプティング攻撃では、投稿フォームに埋め込まれた悪意あるスクリプトが瞬く間に拡散しました。
利用者がその投稿を閲覧するだけでスクリプトが自動的に実行され、他のユーザーのアカウントでも同様の投稿が発生するなど、感染が連鎖的に広がったのです。
結果として、数百万件規模のスパム投稿やリンク拡散が生じ、SNS全体が混乱しました。
この事件をきっかけに、SNS事業者は投稿内容のサニタイズやHTMLエスケープの強化を進めるといった対策を講じています。
ECサイトでは、入力フォームに仕込まれたスクリプトを通じて、購入者のクレジットカード情報が外部サーバーに送信される事件が起きました。
攻撃者は決済画面のコードに不正なスクリプトを挿入し、利用者が入力した情報を盗み取る手口を用いました。
被害企業は膨大なカード再発行対応や謝罪対応に追われ、顧客の信頼を大きく失われることになりました。
官公庁の公式サイトにクロスサイトスクリプティング攻撃が仕掛けられ、訪問者がフィッシングサイトに誘導される事案が発生しました。
一見すると正規ページのように見えるため、多くの利用者が情報を入力してしまい、個人情報の流出が相次ぎました。
公共機関での被害は社会的影響が大きく、迅速なサイト閉鎖と広報対応が求められました。
この事例を受け、官公庁では脆弱性診断やソースコード検査の定期実施が義務化されつつあります。
WordPressで発生したクロスサイトスクリプティング攻撃では、更新されていない古いプラグインの脆弱性が悪用されました。
攻撃者は管理画面へのスクリプト挿入を行い、サイトの全ページを書き換える改ざん行為を実行しました。
一部では管理者権限の奪取や、マルウェア配布に利用されるなど、被害が拡大しています。
CMSを利用する場合は、プラグインの定期更新と信頼性の高いソースからの導入が不可欠です。
中小企業では、サイト運用担当者が少なく、セキュリティ対策が後回しにされる傾向があります。
その結果、クロスサイトスクリプティング被害に気づかないまま数ヶ月から数年にわたり情報が流出し続けるケースが少なくありません。
小規模サイトでも、ログ監視やアクセス制御の欠如によって信用を失い、取引停止に至ることもあります。
このような被害を防ぐには、専門業者による脆弱性診断と定期的なコードレビューが有効です。

クロスサイトスクリプティングの脆弱性は、技術的な実装ミスだけではなく、開発や運用体制そのものにも原因が潜んでいます。
コーディング対策に加えて、組織的なセキュリティ意識の向上やルール整備を行うことが、継続的な防御に不可欠です。
ここでは、企業が実践すべき運用面でのリスク管理策を紹介します。
クロスサイトスクリプティングの脆弱性は、開発時に気づかないまま公開されるケースが多くあります。
そのため、専用の脆弱性診断ツールを定期的に活用し、Webサイト全体をスキャンすることが重要です。
これにより、潜在的なクロスサイトスクリプティングリスクやコードの不備を早期に発見できます。
診断はリリース前だけでなく、更新や機能追加のたびに実施することが理想です。
無料ツールから商用の自動診断システムまで多様な選択肢があり、自社の規模に合わせて導入することが効果的でしょう。
また、診断結果は開発者だけでなく運用担当者とも共有し、修正対応の優先順位を明確にすることが継続的なセキュリティ管理につながります。
クロスサイトスクリプティング攻撃を防ぐためには、開発者だけでなく社内全体で「入力値の危険性」を理解しておくことが欠かせません。
たとえシステム担当者が安全なコードを書いても、他部署の担当者が不用意に外部スクリプトを埋め込んだり、不正なフォーム設定を行ったりすれば脆弱性が生まれてしまいます。
定期的なセキュリティ研修を通じて、入力値の検証・エスケープ処理の重要性や、不審なコードの兆候を周知することが大切です。
特に新人や非技術職にもわかりやすく実例を交えて説明することで、社内全体のリテラシーが向上します。
組織としてセキュリティ意識を共有することで、ヒューマンエラーによるクロスサイトスクリプティングが発生するリスクを大幅に減らせるでしょう。
クロスサイトスクリプティングの多くは、古いバージョンのライブラリやプラグインに潜む脆弱性を悪用して行われます。
特にCMS(WordPressなど)やJavaScriptのライブラリを利用している場合、開発者が意識しないうちに脆弱なコードが残っているケースもあります。
そのため、定期的に更新情報を確認し、不要なプラグインを削除することが重要です。
また、アップデート前にはテスト環境で動作確認を行い、互換性の問題を避けることも忘れてはいけません。
最新のセキュリティパッチを適用し続けることで、既知の脆弱性を悪用されるリスクを最小化できます。
CSP(ContentSecurityPolicy)は、Webサイト上で実行されるスクリプトを制御する強力な仕組みです。
クロスサイトスクリプティング対策の一環としてCSPを適切に設定すれば、攻撃者による不正スクリプトの実行を防ぐことができます。
しかし、設定を誤ると正常な機能までブロックしてしまう可能性があるため、開発・テスト環境で十分な検証を行うことが不可欠です。
具体的には、ブラウザのコンソール警告を確認しながら許可リストを微調整し、本番環境に反映させるプロセスを確立することが求められます。
CSPのテストは地味ながら、堅牢なWeb運用の基盤を支える重要な工程です。
技術的な防御策に加えて、組織としてのルール整備も不可欠です。
まずは「セキュリティポリシー」を策定し、Webアプリ開発・更新・運用の各段階での安全基準を明文化することが必要になります。
加えて、Webサーバーやアプリケーションのアクセスログを常時監視し、不審な挙動を早期に検知できる体制を整えましょう。
特に外部からのPOSTリクエストやスクリプト挿入の試みなど、クロスサイトスクリプティングを疑わせる動きには即座に対応する仕組みが有効です。
また、定期的な監査やインシデント対応訓練を行うことで、いざというときの初動がスムーズになります。
技術と運用を両立させた管理体制こそ、企業に求められる真のクロスサイトスクリプティング防御策といえるでしょう。

自社のWebサイトがクロスサイトスクリプティングの影響を受けてしまった場合、どうすればいいのでしょうか。
ここでは、クロスサイトスクリプティングの影響がある場合に、取るべき3つの行動について解説します。
クロスサイトスクリプティングの被害を受けた際、最初に行うべきは状況の正確な把握です。
サーバーやアクセスログを即時に確認し、攻撃がどの範囲に及んでいるかを特定します。
特に、ユーザー情報や認証トークンが外部に流出した可能性がある場合は、不正ログイン防止のために全ユーザーのパスワードリセットを実施しましょう。
また、攻撃者が残したスクリプトをすぐに除去し、被害の拡大を防ぐことも重要です。
この初動対応を迅速に行える体制を整えておくことで、企業の信用失墜を最小限に抑えられます。
クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃を受けた可能性がある場合、自分のSNSアカウントやネット銀行・クレジットカード口座に不審な操作がないかを確認することが重要です。
特にSNSログイン(ソーシャルログイン)を利用しているサービスでは、第三者にログイン情報が悪用され、勝手に投稿されたり、他サイトへ不正アクセスされる可能性があります。
また、決済情報が紐づいている場合は、少額決済や身に覚えのない引き落としが行われていないか確認しましょう。
異常が見つかった場合は、すぐにパスワード変更や二段階認証の設定、カード会社や金融機関への連絡を行い、被害拡大を防いでください。
クロスサイトスクリプティング(XSS)の被害に遭っているかもしれないと感じた場合、無理に一人で判断しようとせず、セキュリティ専門業者に調査を依頼するのがおすすめです。
専門家は、アクセスログの確認や不正スクリプトの有無、アカウント乗っ取りの痕跡などを丁寧に調査し、被害が発生しているかどうかを明確にしてくれます。
また、必要に応じてパスワード管理の改善方法や再発防止のアドバイスも受けられるため、不安を抱え続けるより早期に相談する方が安心です。
自分のデータが守られているか気になる場合は、専門家へ問い合わせましょう。

クロスサイトスクリプティングは、一度の攻撃で多くの被害を引き起こす可能性があり、非常に危険です。
しかし、そのリスクは「正しい理解」と「継続的な対策」によって確実に軽減できます。
開発者は技術的な防御策を実装するだけでなく、運用者や経営層を含む組織全体でセキュリティ意識を共有することが重要です。
また、攻撃を受けた場合の初動対応や再発防止策をマニュアル化しておくことで、被害の最小化が可能になります。
もし自社のWebサイトやシステムに不審な挙動が見られる場合は、早急に専門の調査機関への相談をおすすめします。
また、ファミリー調査事務所では、クロスサイトスクリプティングの影響を受けたかもしれないと不安に思うユーザーの方向けの調査も承ります。
被害の実態把握から再発防止策の提案まで、専門の調査員が迅速に対応するので、お気軽にご相談ください。
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監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。 得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。 監修者・執筆者一覧へ
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