「電子計算機使用詐欺罪」と聞いても、日常で使う言葉ではないため、内容が想像しづらいかもしれません。
ただ、この犯罪は「コンピューターに虚偽の情報や不正な指令を与え、財産上の利益を得る」といった行為を対象にしており、近年のネット犯罪や不正利用とも関わりが深い分野です。
ここでは、電子計算機使用詐欺罪の概要、罰則、時効、民事での考え方、そして被害を避けるための注意点を、要点中心に整理します。

電子計算機使用詐欺とは、事務処理に使われるコンピューターに虚偽の情報や不正な指令を与え、不正に財産上の利益を得る(または得させる)行為です。
一般的な「詐欺罪」は“人を欺く行為”が中心ですが、電子計算機使用詐欺罪は、コンピューター処理の仕組みを悪用して利益を得る場面を想定しています。
たとえば、次のようなケースが問題になり得ます(内容は状況により判断が変わります)。
※スミッシング:金融機関や企業を装ったSMS等で偽サイトへ誘導し、認証情報の入力や不正購入に結びつける手口です。
ニュースとして知られている事例では、2022年の山口県阿武町の給付金誤送金をめぐる事件でも、この罪名が話題になりました。
また、規約で禁止されている方法での購入や申込みが、状況によっては「虚偽の電磁的記録」に関わる論点になることがあります。「知らなかった」では説明が難しくなるケースもあるため、利用規約・注意事項の確認は重要です。
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電子計算機使用詐欺罪は、刑法246条の2に規定されています。
法定刑は、10年以下の懲役です(詐欺罪と同水準)。
前条に規定するもののほか、人の事務処理に使用する電子計算機に虚偽の情報若しくは不正な指令を与えて財産権の得喪若しくは変更に係る不実の電磁的記録を作り、又は財産権の得喪若しくは変更に係る虚偽の電磁的記録を人の事務処理の用に供して、財産上不法の利益を得、又は他人にこれを得させた者は、十年以下の懲役に処する。
【引用:刑法 | e-Gov法令検索】
なお、関与の態様によっては、実行者だけでなく周辺関与者が責任を問われる可能性もあります(共犯の成否は具体事情で判断されます)。
電子計算機使用詐欺罪の公訴時効は、一般に7年と整理されることが多いです。
ただし、併合罪などで扱いが変わる可能性もあるため、厳密には刑事訴訟法の規定や、事案の構造により確認が必要です。
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刑事事件として処罰される可能性があっても、それだけで被害金が自動的に戻るとは限りません。
金銭の回収は、返還請求や損害賠償請求など、民事の手続きが別途必要になることが多いです。
また、財産犯は「財産的損害」が中心となるため、一般論としては慰謝料が争点になりにくい傾向があります(ただし、背景事情により別の法的評価が加わることもあります)。
実際の回収可能性は、相手の特定状況・資力・証拠の質に大きく左右されます。
電子計算機使用詐欺は、ネット決済・認証・ポイント等の「仕組み」を利用して成立するため、手口を知らないまま被害に遭うケースが少なくありません。
日常の予防策としては、次の基本が効果的です。
もし「ログインされたかもしれない」「勝手に決済された」などの疑いがある場合は、二次被害を止めることが最優先です。
「どこまでが被害か」「誰が関与したか」が曖昧なままだと、対応が遅れやすくなります。記録を残しながら、早めに手順を整理することが重要です。
被害の可能性がある場合、まずは「いつ・どこで・何が起きたか」を整理し、必要に応じて関係先への連絡や証拠保全を進めます。
特に、なりすまし・不正決済・口座不正利用などは、初動が遅れるほど被害が広がることがあります。状況に応じて、弁護士等の専門家と連携した対応も検討します。
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