
「モラハラをする夫と離婚したいけれど、家を出たら夫に何をされるかわからず一歩が踏み出せない…」
「勇気を出して別居したけれど、モラハラ夫から嫌がらせを受けて困っている」
この記事では、モラルハラスメントの実態についてまとめ、モラハラ被害から抜け出す方法について解説しています。
また、別居・離婚後も嫌がらせが続いた場合の対処方法についてもまとめています。
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近年、注目されるようになった「モラルハラスメント」
多くの方が、一度は見聞きしたことがある言葉ですが、モラハラの実態を正しく理解している方はまだ少ないです。
ここでは、モラルハラスメントの概要についてわかりやすく説明します。
モラルハラスメントとは、
「言葉や態度によって相手の心を傷つける精神的な暴力」
のことをいいます。
モラルハラスメント加害者は、被害者を攻撃し屈服させることで快感や優越感を得ます。
このような支配関係が出来上がってしまうと、モラルハラスメント加害者はそれに依存して、けっして手放そうとしません。
モラハラは職場や学校など、さまざまな環境で起こりえますが、特に家庭内の夫婦関係でモラハラ被害が生じやすく、また深刻化しやすいと言われています。
本来、夫婦は対等な関係であるべきです。
しかし、モラハラ夫は、パートナーとの関係を「支配服従関係」に変えてしまいます。
そして、相手の人格や価値観を否定し続けることで、自尊心や自信を喪失させるのです。
モラハラは、アイデンティティの破壊行為であり、れっきとしたDV(ドメスティック・バイオレンス)です。
モラハラは「見えない暴力」と言われています。
モラハラ加害者の目的は、パートナーを支配・服従させることです。
そのため、モラハラの方法はあの手この手と多岐に渡ります。
以下に挙げるのは、その具体例の一部です。
【二重拘束(ダブルバインド)】
モラハラ夫がする特徴的な言動に「二重拘束(ダブルバインド)」と呼ばれるものがあります。
まずは下の事例をご覧ください。
夏のある日、部屋のエアコンが効き過ぎていたため、妻がリモコンで消しました。
すると夫は「勝手に切るな」と苛立ちました。
数日後、また部屋のエアコンが効き過ぎて寒かったため、妻は夫に「寒いからエアコンを切っていい?」と尋ねました。
すると夫は「お前はエアコンを切るかどうかすら自分で判断できないの?どれだけ馬鹿なの?」と言いました。
二重拘束(ダブルバインド)とは、矛盾した2つのメッセージを受けることで、心理的に混乱したりストレスを感じたりする状態のことをいいます。
受け手はどちらの選択肢を選んだとしても、もう一方の選択肢に背くことになってしまうため、何が正解かわからず混乱し、強いストレスを感じます。
上の事例だと、自分の判断でエアコンを切ることも、夫の意向を尋ねることも、いずれも夫から「悪い」と言われ、妻は混乱してしまいます。
こうした二重拘束(ダブルバインド)を繰り返されると、妻は自分の価値基準に自信が持てなくなり、次第に自尊心を失ってしまうのです。

では、家庭内のモラルハラスメントはいかにして生じるのでしょうか。
モラルハラスメント加害者の特徴と、モラルハラスメント被害が生じるまでの過程を見てみましょう。
モラルハラスメントの加害者には、一定の性格的な特徴があると言われています。
根拠なく自分には才能があって有能な人間だと思っている。
自分の言動によってパートナーが混乱したり傷ついたりしていてもなんとも思わない。
妻が病気で体調が悪いときなどに、まったく心配しない。
自分の考えがすべて正しいと思っており、他者への思いやりを示さない。
自分が悪いのでなく、「全ておまえが悪い、俺が怒っているのはおまえが怒らせたからだ」と責任転嫁をする。
その場しのぎの発言が多く、「この間と言っていることが違う」と感じるような、矛盾した発言を平然とする。
家庭の外での評価が高い。
モラハラ夫は、周囲から良い夫だと思われたいと考えている人が多く、妻は周りから「なんて優しいご主人なんでしょう」と言われることもある。
この家庭とのギャップにより、妻はモラハラ被害を自覚しづらくなってしまう。
モラルハラスメントは、2つの段階を経て生じると言われています。
第一段階として、加害者が被害者を惹きつけることから始まります。
夫婦の場合、交際する段階、すなわち恋愛関係になることがそれに当たります。
結婚前はぐいぐい引っ張るタイプで、それも素敵だと思って結婚してしまうという典型パターンです。
それが上手くいくと、次は被害者が自分から離れなくなるように少しずつ影響を与え、被害者の考えや行動をコントロールしていきます。
具体的には、たまに無視したり、小さなことで馬鹿にするといった言動が始まります。
被害者は、最初は「相手が疲れているからだろう」とか、「私のやり方がいけないのだ」と思って、一生懸命努力してご機嫌をうかがい、加害者の顔色を見るようになります。
被害者が耐えかねて、「私の一体何がいけないの」と少しでも反抗しようとすると、加害者は、第二段階の〝暴力の段階〟に移ります。
被害者に反抗された加害者は、とたんに強い怒りや憎しみの感情を露わにします。
「おまえはそんなこともわからないのか」と説教が始まったり、嫌味や皮肉、中傷や悪口を被害者にぶつけます。
このとき、怒り口調というよりも、冷静に淡々と述べられることが多いのも特徴です。
被害者は、あまりにも些細なことや理不尽なことで、そのような言動を繰り返し受け続けると「自分が悪いから、夫を怒らせてしまうのだ」「もっと上手くやれない自分が悪い」と思うようになります。
モラルハラスメントの加害者は、こうやって被害者がこれまで信じていた価値基準が通用しない状況を極めて巧妙に作ります。
繰り返し混乱させることで、被害者の人格を崩壊させるのです。

モラルハラスメントは、周囲から気づかれにくく、被害者本人も被害を受けていると自覚しにくいという特徴があります。
モラハラを受け続けると、心身にどのような影響が出るのでしょうか。
また、被害から抜け出すための適切な方法はあるのでしょうか。
繰り返しモラルハラスメントを受け続けた被害者は、次第に自己評価が下がり、自尊心を失っていきます。
その状態がもっとひどくなると、眠れない、食欲がない、夫が帰ってくる足音がするだけで動悸がする、過呼吸になるなどの症状が表れます。
そして、最悪うつ病といった精神病を患ってしまう可能性もあるのです。
さらに、PTSD(post-traumatic stress disorder:心的外傷後ストレス障害)におちいるなど、長期的に精神的な影響を受けることもあります。
モラルハラスメント被害者のPTSDの症状としては、加害者から連絡があるだけで、突然過去の被害経験が思い出され、不安感を覚えたり動悸がしたりする、などが挙げられます。
モラルハラスメントの加害者を更生させ、謝らせることは、ほぼ不可能です。
なぜならモラハラ夫は、上記の特徴に挙げたように、自分の非を認めることがないからです。
妻としては、なんとか家庭をやり直したいという思いがあるかもしれません。
しかし、モラハラが改善されることを期待して待っても、決して自然にモラハラがなくなることはありません。
では、モラルハラスメント被害から抜け出すためには、どうすればいいのでしょうか。
最も大切なのは、被害者自身がモラハラに気づくことです。
モラハラはマインドコントロールであるため、被害を自覚すること自体が困難です。
また、仮に周囲に助けを求めたとしても、周りに「あなたの思い過ごしではないか」などと真剣に受け取ってもらえず、結果、周囲の人を信じることもできなくなってしまいます。
早期にモラルハラスメントを自覚するためには、被害者が自分自身の違和感に素直に従うことが大切です。
また、弁護士やカウンセラーなど、DVの知識があって信頼できる人に相談することも重要です。
被害から最も早期に脱する方法は、モラハラ夫から物理的に離れること、すなわち別居をすることです。
いざ離婚したいと思っても、同居している限り、モラハラ夫との支配従属関係が続いてしまいます。
離婚の話を建設的に進めるのは、ほぼ不可能と言えるでしょう。
モラルハラスメントの加害者と離れることによって、被害者は次第に自分自身を取り戻し、冷静に今後のことについて考えることができるのです。

いざ別居に踏み切っても、まだ安心することはできません。
別居や離婚に納得できないモラハラ夫が、妻に対して、別居・離婚後も接触を図ったり復縁を迫ったりすることが予想されます。
さらに、別居や離婚については、すべて妻が悪いと考え、妻に対する嫌がらせに及ぶ可能性もあります。
モラハラ夫は、妻が自分の元から逃げ出したとき、以下の2パターンの反応を示すことが多いと言われています。
「別居など認めない」と、怒りを露わにする加害者が多くいます。
別居先がわかっていたら、その場所まで飛んで行って、妻を連れ戻そうとすることもあります。
「悪かった、どうか帰ってきてくれ」と涙を流して謝る加害者も多いです。
注意すべきは、その言葉を信じて再び同居すると、すぐにまた同じことが繰り返されるということです。
モラハラ夫は、別居した妻に対して、冷静に落ち着いて相手の気持ちを聞く、といった態度を取ることはありません。
あくまでも自分本位に、怒りや悲しみの感情をぶつけようとします。
モラハラ夫は、自分の支配下にある居心地のよい家庭を手放したくありません。
会えば妻は自分の思うままになる、直接話せば必ず自分の元に戻ってくるという自信を持っているのです。
そのため別居後は、モラハラ夫の言動に振り回されず、毅然とした態度を示す必要があります。
別居・離婚後のモラハラ夫による嫌がらせ行為は、以下のようなものが挙げられます。
このような嫌がらせの被害に遭わないためには、加害者との関わりを完全に断つのが一番ですが、子どもがいる場合などは特に、そう簡単にモラハラ夫と絶縁することができないのが現状です。
モラハラ夫は、離婚協議になると、かたくなに親権を譲らないことがよくあります。
今まで支配下に置いていた妻の思い通りになるのが許せないからです。
被害者が子どもの親権者になりたいときは、毅然とした態度で、必ず〝単独親権者〟となることを主張しなければなりません。
日本は2026年までに、離婚時に子どもの親権を単独親権にするか共同親権にするか選択できるようになります。
モラハラ夫は、ほぼ必ず共同親権を主張すると思われるため、ここは全面的に争わなければなりません。
なぜなら、共同親権にした場合、モラハラ夫と離婚後も定期的に連絡を取り合う必要があり、妻の精神的負担が大きくなってしまうからです。
別居・離婚後の面会交流の問題も同様です。
本来、面会交流は、離れて暮らす親と子どもが交流するという、子どもの福祉にかなうものです。
しかし、相手がモラハラ夫の場合、面会交流を実施すること自体が妻の負担になってしまいます。
そのため、面会交流の内容を決める際、直接父子が会って交流する方法ではなく、写真や手紙などで交流をする〝間接交流〟の方法を検討する必要があります。
モラハラ夫は、ほぼ必ず直接交流を希望してくるため、ここでも全面的に争わなければなりません。
モラハラ夫との離婚の場合、離婚協議が難航するケースが多くあります。
モラハラ夫は、そもそも妻の意向に沿って自分が折れるということをしたくないため、離婚に関して決めなければならない、親権、養育費、慰謝料、財産分与などの事項がことごとく合意できないという場合も多いです。
夫婦間での協議離婚ができない場合、家庭裁判所での調停や裁判で、離婚に関することを決定します。
モラルハラスメントは、れっきとしたDVであるにも関わらず、身体的暴力と異なり、証拠が残りにくく、裁判所でなかなかDVと認められないという難点があります。
別居・離婚後、モラハラ夫による嫌がらせの手段が悪質化してきた場合、法的措置を検討しましょう。
DV防止法の保護命令は、暴力や脅迫によって「生命又は心身に重大な危害を受けるおそれが大きい」などの要件があるときに効力を発揮します。
加害者に対し、被害者に近づくことや連絡を取ることを禁止したり、住居からの退去させたりできる手続きです。
警察が、モラハラ夫からの執拗な連絡や接近行為について「ストーカー行為」と認定すると、ストーカー規制法に基づく警告を通知します。
警告に従わないときは、次の段階として公安委員会から禁止命令が出されます。
相手が禁止命令にも従わずにストーカー行為を繰り返したときは「2年以下の懲役又は200万円以下の罰金」(同法19条)、禁止命令に違反するその他の者には「6ヶ月以下の懲役又は50万円以下の罰金」(同法20条)という刑事罰が科されます。

嫌がらせが離婚後であれば、上記の接近禁止命令などの法的措置を検討します。
離婚前であれば、嫌がらせの事実を確実に証拠として押さえましょう。
この証拠を元に、親権や面会交流などを決める手続きを被害者の有利に進めることができます。
モラハラ夫との離婚を考えている場合は、弁護士への相談を検討しましょう。
弁護士に依頼する一番のメリットは、モラハラ夫の盾になってもらうことです。
どんな些細なことでも、すべて弁護士を通して窓口となってもらうことで、被害者の精神的負担を軽減できます。
また、弁護士は家庭裁判所での調停や訴訟の手続きを代行してくれます。
相談は、弁護士会や法テラスのDV相談窓口で受け付けており、DVの知識が豊富な弁護士を紹介してもらえます。
探偵に証拠収集を依頼すると、
など、調停や訴訟の手続きを有利に進めるための証拠を集めることを代行してくれます。
別居を考えている段階であっても、別居をした後でも、探偵に相談することで、安心・安全にモラハラの証拠を集めることができます。

モラルハラスメントは、身体的暴力とは違い、証拠が残りにくいDVです。
自分で調停や裁判に有利になる証拠を集めようとしても、素人判断で動くのは危険な上、上手くいかないでしょう。
探偵なら、裁判でどのような証拠が有力なのか豊富な知識を持っています。
証拠収集のプロである探偵に依頼することで、安全・確実にモラハラ被害の証拠を集めることができるのです。

当社では、モラルハラスメントを始めとする、さまざまなDV・嫌がらせなどのトラブルに関するご相談をお受けしております。
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監修者・執筆者 / 山内
1977年生まれ。趣味は筋トレで現在でも現場に出るほど負けん気が強いタイプ。 得意なジャンルは、嫌がらせやストーカーの撃退や対人トラブル。 監修者・執筆者一覧へ
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