嫌がらせの手法アンカリングについて

アンカリングとは「認知バイアス（偏見・先入観）」もしくは「条件付け」という意味です。

ターゲットとすれ違う瞬間に何人もの人がわざとらしく咳き込んだり、ターゲットと目が合った途端、同じように何人もの人がスマートフォンを取り出し、ターゲットをちらちら見ながら誰かに電話をしたりして、ターゲットに違和感を覚えさせます。

これらはいずれも嫌がらせです。

このようなことを故意に繰り返し、ターゲットに「お前を監視している」「お前を狙っているぞ」と思わせ、恐怖心を植えつける嫌がらせがアンカリングです。

このようにしてターゲットにバイアスをかけ（＝先入観を持たせ）、誰かが咳き込むたびにターゲットが反応するようになるのでアンカリング（条件付け）と呼ばれるようになりました。

アンカリングは嫌がらせする初期段階で仕掛けてくるケースが多く、周囲に不自然な行動や仕草をする人が多くなるのが最初の印象です。

報酬を得るためなら闇のバイトも厭わないという無責任な人もいるので、面識のない人物が犯行に及ぶことがあります。

「ターゲットとすれ違うときにわざとらしく咳き込め」と指示されたら、実行犯は言われたとおりに行動し、アンカリングをしていることをターゲットに気づかせて報酬を得ます。

アンカリングはあくまでターゲットに監視やつきまといを気づかせるのが目的なので、表立って危害を加えるようなことは滅多にありません。

わざと咳き込む人たちと立て続けにすれ違ったら違和感を覚えるかもしれません。

しかし、誰かに監視されていると思っても、恐がったり動揺したりする素振りを見せないように努めてください。

過敏に反応すればするほどアンカリングの成功を確信し、次の嫌がらせに発展する可能性が高くなります｡

アンカリングを仕掛けられていると察したときはできるだけ動揺を押し隠し、アンカリングに気づかないふりをすることです。

アンカリングは「気づかない」のが実はいちばんの防御となります。

アンカリング被害に遭うと、全く無関係の人が嫌がらせに加わっているように思えることがあります。

しかし、それは偶然の一致で、たまたま通りがかりの人がすれ違いざまに咳き込んだなど、アンカリングと同じ行動をしたに過ぎないのです。

嫌がらせが続いて不安になっていたり、疑心暗鬼になったりしていると、身のまわりで起こる全てのできことが怪しく見えてきます。

通りを行く人、すれ違う人が皆ストーカーの仲間というようなことはなく、せいぜい数人いるだけなので、気持ちを楽にしてください。

アンカリングが目に余ると感じたときは警察に連絡するなど、毅然とした態度を取り、「嫌がらせには屈しない」という意思表示を見せましょう。

それでも執拗にアンカリングを仕掛けてくることもあるので、問題を根本的に解決したいときは私ども「ストーカー・嫌がらせ対策専門窓口」にご相談ください。